サッカーワールドカップ セネガル戦直前 パブリックビューング前に知っておきたいセネガル国歌の今

サッカーワールドカップ、大方の予想が外れ白星スタートとなった日本。勝利の歓喜に沸いたわけですが、明日は強豪国セネガルとの対戦が控えています。

さて、セネガルと言えば国歌でも話題の国であるのはご存知ですか?

現在のセネガル国歌「コラを弾け、バラフォンを叩け」は独特のメロディで民族色を感じさせる曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=27gWEoVmwf8

 

現在この曲を変更しようという動きがセネガル国内であります。

変更を主張しているのは政治家のイドリサ・セック氏。2000年の大統領選挙の際にワッド元大統領陣営の選挙運動責任者を務め、2002年から首相を務めていた人物です。しかし、2005年に汚職疑惑で投獄され失脚。現在は野党の実質的な指導者として活動しています。

そんな彼が国歌変更を大々的に主張したのは大統領選挙での公約を訴えた際。実はセネガルは2019年に大統領選挙が控えています。セック氏は2007年3月の大統領選で敗れており今回が二回目の挑戦。

そんな彼が今回の公約で掲げたのが「国歌の変更」です。

 

なぜ国歌を変更しようとしているのでしょうか?

セック氏の主張は国歌が輸入されたものでありセネガルの国歌として相応しくないという事です。メロディはとても民族色が強く一見セネガルらしさを出しているように感じます。

彼が“輸入”した国歌であると言っているのは作曲者がフランス人だからでしょう。

作曲者のハーバート・ペッパーはフランス人の民族音楽学者です。中央アフリカ共和国の初代首相バルテレミー・ボガンダとの出会いが縁で中央アフリカ共和国の国歌を作曲しました。その後作られたのがセネガルの国歌です。

セック氏は作曲をセネガル人にさせると主張。

会見で「私は“私たちに賛美歌”が欲しい」と述べ、感動と勇気を思い起こさせるものを求めると発言しています。また、Wolof、Al Pular、Sérère、Mandingueと複数の言語に言及し、これらのヴァージョンの国歌を作成したいとインタビューに答えています。

国歌変更以外にも国名の変更も公約に掲げています。

「私が提案するのは、まず“République du Sénégal”から“République sénégalaise”に変更することです。我々はフランス共和国(République de France)とは言わず、フランス共和国(République française)と言います」

イドリサ・セック氏がここまで国歌や国名を変更したい理由は下記のインタビューでの発言で知ることが出来ます。

「私は、最も耐え難い悲惨さがある地球上で最も豊かな大陸であるというパラドックスを破りたい。それは私がしたいことです」

植民地支配時代の名残をなくし、自立した国を作りたいという事なのではないでしょうか?そのために国の象徴である国歌を変更したい。そんな想いを感じます。

 

独特のメロディをもつ現行の国歌「コラを弾け、バラフォンを叩け」が好きですが、純セネガル生まれの国歌も聞いてみたいというのは贅沢な話でしょうか?

なにはともあれ、試合前の国歌斉唱時はセネガルの国歌を聞きながら

「確かに外国の民族音楽学者が制作しただけあって民族色全開だな」

と思ったらあなたも国歌通です。

さぁ、国歌を歌って応援をしましょう!

かかってこいセネガル!!