【シリーズ】リオ五輪を振り返る 国歌で ~⑤敬意は姿勢で表せ! アメリカ体操選手の悲劇~
前回、国歌演奏中に舌を出した選手の行動が問題になったという事件をご紹介した。
事件は本人が意図して行った行為が波風を立てたわけだが、本人が意図していなかった行為が批判に繋がってしまった事件もある。
胸に手を当てないのは不謹慎!? アメリカ
体操女子団体総合で優勝し表彰台の一番高い所で国歌を聞くアメリカ代表選手たち。
選手たちが胸に手を当てている中、ガブリエル・ダグラスは手を下げ聞いていた。
これが問題になる。
彼女はふざけていたわけでも無く、しっかり国旗を見据えていた。
ただ手を胸に当てていないだけだった。
しかしアメリカの反応は厳しかった。
ロサンゼルス・タイムズは
「他の選手とのオーラの差が明白」
と批判。
視聴者からも「出場の機会を与えた国に尊敬の念が無い」という意見があるなど厳しい。
彼女はツイッターで謝罪しているが、アメリカ国民からは冷たい目で見られているようだ。
一方でこんなアメリカ代表選手も・・・
棒高跳びを中断して国歌を
こちらもアメリカ人選手。名前はサム・ケンドリックス。
陸軍少尉でもある棒高跳の選手だ。
これから飛ぼうと助走に入った時国歌が流れる。
すると走るのをやめ国旗を探し直立。
更に、彼はこのあと銅メダルを獲得しているのだからアメリカ国民の愛国心に火を付けた事は言うまでも無い。
他国の国歌に敬意 ウサイン・ボルト
人間には失敗がつきもの。皆、失敗から物事を学ぶ。
その好例がリオ五輪で3つの金メダルを獲得したジャマイカのウサイン ・ボルトだろう。
2012年ロンドン五輪での彼の行動が話題になった。
スペインのテレビ局が競技後のボルトにインタビュー。
しかし、会場内にアメリカの国歌が流れるとボルトはインタビューアーを制止し真剣な表情で国歌を聞き、終了後にまたインタビューを再開させた。
この行動が大絶賛されボルトの株を一気に上げた。
「真のアスリートだ」なんて言われる事も。
しかし、彼がこんな事をするには理由がある。
以前、国歌演奏中にはしゃいでいた所を叩かれた事があった。その反省を生かしての行動だったのだ。
今では”真のアスリート”と言われている彼ですら失敗を乗り越えている。
ダグラス選手も今回の避難に負けず頑張ってほしい。