エルサルバドル国歌「エルサルバドルの国歌」

 

エルサルバドル 国歌「エルサルバドルの国歌」

タイトル

HIMNO NACIONAL DE EL SALVADOR (イムノ ナショナル デ エルサルバドル/エルサルバドルの国歌

表記は法律に記載通り全て大文字とした。

作詞

Juan José Cañas (フアン ホセ カニャス)

1826年1月19日にエルサルバドルのサンミゲル市生まれ。詩人、軍人、外交官と多くの肩書を持つ。1918年1月10日にサンサルバドールで逝去。

作曲

Juan Aberle (フアン アベルレ)

1846年12月11日イタリア ナポリ生まれの作曲家。1930年2月28日にサンサルバドールで亡くなった。グアテマラの国立音楽院の創設者でもある。

採用年

1953年12月11日

成り立ち

最初の国歌は1866年9月から10月にかけてTomas M. Muñoz作詞、軍楽隊長のRafael Orozcoが作曲した。当時の大統領フランシスコ・ドゥエニャスが同年10月8日に国歌と宣言し、1867年1月24日に大統領公邸前で歌われ公式に披露された。しかし内容があまりにも支配者に媚びるものだったため、ドゥエニャス大統領退任後忘れ去られる。
そこで生まれたのが現国歌。1850年代半ば、Rafael Zaldivar大統領が19世紀末に歌劇団の指揮者としてエルサルバドルに渡ってきたイタリア人作曲家Juan Aberleに作曲を、Juan José Cañasに作詞を依頼する。初演は1879年9月15日に国立宮殿。歌ったのは首都にあった公立や私立の学校に通う子どもたちだった。この日のために3ヶ月練習を重ねたという。人気が出たものの、この時国歌として制定する手続きが行われず、国民歌として採用され歌われ続ける。
しかしここで一度、この曲は表舞台から消えることとなる。国歌作成の指示をしたRafael Zaldivarが、中央アメリカ統一失敗の責任を取り辞任し、ホセ・ロサレスが大統領に就任。その後1890年にカルロス・エゼタ将軍がクーデターを起こしエゼタが大統領に就任すると、国威発揚を目的にイタリア人作曲家Césare Giorgi-Vélezに国歌作成を依頼し『EL SALVADOR LIBRE』が誕生。1891年6月8日の政令で正式に国歌として認められたものの、前曲同様、エゼタが失脚すると歌われなくなる。
そんな中、脈々と国民の間で愛されていたのがJuan AberleJuan José Cañasが作成した曲だった。1953年代、国歌を公式に制定しようという動きが活発になり、同年12月11日に立法議会が以下の政令を発布し正式に国歌となった。
「1879年9月15日に共和国の首都で初演されたもので、音楽と歌詞の作者は、それぞれマエストロ・フアン・アベレとフアン・ホセ・カニャス将軍であり、その創始日以来、サルバドールの人々の気持ちによって、この賛美歌が国の賛美歌として公式に認められたもの」

EXCELSIOR

憲法に記載されている情報は以下の通り。
第一章第64条
国のシンボルは、国の色(Pabellón)または国旗、国章、国歌である。法律は、この問題に関係するものを規制するものとする。

♪♪

法律に国有財産であることが明記されている。

♪♪♪

スポーツイベント主催者にも国歌を演奏する義務がある。違反者には3ヶ月の活動停止などが科せられる。

♪♪♪♪

教育現場では、国民の日や年の学校始まりや、毎週の最初の日に歌うことが義務付けられている。合唱中は右手の手のひらを胸に当て被り物を外し、尊敬の念を持つことを規定。

♪♪♪♪♪

1992年に議会で制定された法令によれば、通常コーラス2回と1節が歌われる。9月の独立記念月間の際、学校では週一回程度(学校によって異なる)フルバージョンで歌われる。

♪♪♪♪♪♪

胸に手を当てて歌うのが基本姿勢。軍人(時には大統領や大使)は、地面に手のひらを向け胸に手を当てる、いわゆるアイーンポーズで歌う。
また、3スタンザ全て歌う場合、コーラス部分だけ胸に手を当て、残りは手をおろしていいという世界最長級国歌らしい配慮が慣例としてある。
これらの行為はエルサルバドル国籍を有する人にだけ求められ、その他の人たちは義務ではない。

(大使館が本国のプロトコル担当者に確認)

♪♪♪♪♪♪♪

世界一長い国歌として取り上げられることもあるが実際は・・・

世界一長い国歌は? 長年問われてきた問題に挑む

歌詞

【コーラス】
Saludemos la patria orgullosos
De hijos suyos podernos llamar
Y juremos la vida animosos,
Sin descanso a su bien consagrar.
(コーラス)
consagrar.consagrar.consagrar.consagrar.

【1】
De la paz en la dicha suprema,
Siempre noble soñó El Salvador;
Fue obtenerla su eterno problema,
Conservarla es su gloria mayor.
Y con fe inquebrantable el camino
Del progreso se afana en seguir
Por llenar su grandioso destino,
Conquistarse un feliz porvenir.
Le protege una férrea barrera
Contra el choque de ruin deslealtad,
Desde el día que en su alta bandera
Con su sangre escribió: ¡LIBERTAD!
(コーラス)

【2】
Libertad es su dogma, es su guía
Que mil veces logró defender;
Y otras tantas, de audaz tiranía
Rechazar el odioso poder.
Dolorosa y sangrienta es su historia,
Pero excelsa y brillante a la vez;
Manantial de legítima gloria,
Gran lección de espartana altivez.
No desmaya en su innata bravura,
En cada hombre hay un héroe inmortal
Que sabrá mantenerse a la altura
De su antiguo valor proverbial.
(コーラス)

【3】
Todos son abnegados, y fieles
Al prestigio del bélico ardor
Con que siempre segaron laureles
De la patria salvando el honor.
Respetar los derechos extraños
Y apoyarse en la recta razón
Es para ella, sin torpes amaños
Su invariable, más firme ambición.
Y en seguir esta línea se aferra
Dedicando su esfuerzo tenaz,
En hacer cruda guerra a la guerra:
Su ventura se encuentra en la paz.

歌詞 日本語訳

【コーラス】
祖国に敬意を示さん
祖国の子供であることを誇りに思わん
勇気をもって命を誓わん
絶え間なくその善に尽くすため
尽くさん 尽くさん 尽くさん 尽くさん

【1】
至上の平和と幸福の中で
エルサルバドルは気高く夢を抱き続けた
これの実現が祖国の永遠の使命
これを守ること、それすなわち祖国最大の栄光
そしてゆるぎない信念を抱き
祖国は歩み続ける
大いなる運命へと向かって
そして幸福な未来を獲得するために
わが強靭な兵士は祖国を守る
卑劣で不実なものに対し
祖国が反旗を翻したその日から
その血で「自由」と書かれていた
「自由」と書かれていた 「自由」と書かれていた

協力:駐日エルサルバドル共和国大使館

歌詞 カタカナ読み

【コーラス】
サール-デーモス ラパートリオルリョーソス
デーイーホスーーヨス ポデールノース ジャマーー
イーフ-レ-モス ラビーダーアニモーソス
シーンデースカーンソアース ビエーン コンサグラル
(コーラス)

コーーンサグラル コーーンサグラル
コンサグラル コンサグラーーール

【1】
デェラパーーゼン ラ ディチャスプレーー
スィエンプレ ノーブレ ソニョ エルサルドー
フェオテネーーラ スエテルノ プロブレー
コンセルバール ラエス グローリア マヨル
イ-コンフェ インケ ブランターブレエル カミー
デル プログレーソ セアファー ナエン セギール エン セギー
ポル ジェナールス グーラン ディオーソ デスティー
コンキスタールセウン フェリース ポルベニー
レープロテーーヘ ウナフェレア バレーー
コントラエルチョーーケ デルイン デスレアルタッ
デスデエルディーーアケエン スアルタ バンデーー
コンス サーングレ エスクリビオー リベルター
エスクリビオー リベルター エスクリビオー リベル

協力:駐日エルサルバドル共和国大使館

国歌に関するリンク

【大統領府 “国の象徴”】
https://www.presidencia.gob.sv/simbolos-patrios/

【立法議会 “法令番号1231”】
https://sitioinfantil.asamblea.gob.sv/simbolos-patrios/ley-de-simbolos-patrios-recursos/decreto-legislativo-no.-1231-de-1953.pdf

【立法議会 “法令番号115 国家記号の規則”】
https://www.asamblea.gob.sv/sites/default/files/documents/decretos/171117_072904667_archivo_documento_legislativo.pdf

【駐レバノン領事館 “国歌”】
http://www.elsalvadorconsulate-lb.org/content/national-anthem

【constituteproject “エルサルバドル憲法”】
https://constituteproject.org/constitution/El_Salvador_2014?lang=en

【elsalvador.com “Hoy se cumplen 95 años de la muerte del escritor del Himno Nacional”】
https://historico.elsalvador.com/historico/100635/hoy-se-cumplen-95-anos-de-la-muerte-del-escritor-del-himno-nacional.html#:~:text=Hoy%20se%20cumplen%2095%20a%C3%B1os%20de%20la%20muerte%20del%20escritor%20del%20Himno%20Nacional,-La%20composici%C3%B3n%20de&text=Han%20pasado%2095%20a%C3%B1os%20desde,sagradas%20notas%20del%20Himno%20Nacional.

関連記事