イタリア共和国 国歌「イタリア人の歌」
イタリア共和国 国歌「イタリア人の歌」
タイトル
Canto degli Italiani(カタカナ読み確認中)/ イタリア人の歌
法律では上記の通り。別名“マメーリの賛歌” “イタリアの友人”
作詞
Goffredo Mameli/ゴッフレード・マメーリ
1827年9月5日ジェノヴァ生まれ。詩人。同地の有名な貴族の子孫とサルデーニャ王国艦隊の司令官を両親に持つ。
歌詞制作後の1849年、”ローマの包囲”と呼ばれるフランス軍による首都ローマの攻撃に対する防衛に参加した。同年6月3日に左足を負傷し壊疽したため切断。しかし回復には至らず7月6日の朝7時半、22歳の若さで逝去。死因は感染症。
“負傷”には2説あり、1つは仲間の兵士の銃剣が悲運にも刺さったというもの。もう1つはフランスからの銃弾によるものがある。ローマにあるサン・ピエトロ・イン・モントリオ教会に遺体は埋葬され、彼の記念碑が建てられた。
通りや中学校、潜水艦にもこの名がつけられた。
作曲
Michele Novaro/ ミケーレ・ノヴァーロ
1818年10月23日ジェノヴァ生まれの作曲家。1885年10月21日貧困の中逝去。彫刻でも有名なジェノヴァのMonumental Cemetery of Staglienoに埋葬された。
採用年
1946年10月12日に非公式採用。法的には2017年12月30日
成り立ち
オーストリアとの戦争機運が高まっていた1847年9月10日。当時20歳の学生だったマメーリは「イタリア人の歌」と題した詞を書き、トリノにいた巨匠ミケーレ・ノヴァーロにそれを送る。ノヴァーロは歌詞に魅了され11月24日に詞を基にした曲を書き上げた。
1847年12月10日初演。オーストリアの占領に対する反乱101周年(バリッラの蜂起1746年)を記念して、ジェノヴァ・オレジーナのロレト聖母広場でセストレ・フィルハーモニーが演奏され人気を博したが警察によって禁止される。しかし1848年のシチリア革命以降この歌は多くの人々に歌われ統一後、最も愛される歌となった。
イアリアが統一し誕生したイタリア王国の国歌は1931年に作曲された『国王行進曲』となる。
1943年9月第二次世界大戦中、敗戦色が強まりムッソリーニが逮捕されるとイタリアは分裂。既存のイタリア王国は暫定的に『ピアーヴェの歌』、ムッソリーニを支持するイタリア社会共和国は『若者』を国歌に採用する。イタリア王国がこれまで使っていた『国王行進曲』を国歌にしなかったのには、これまでの君主制がファシストを生んだという思いがあったとされる。
終戦後の1946年10月12日での閣僚会議でCipriano Facchinettiが以下のように宣言され現在の国歌が”暫定的”に採用された。
「陸軍大臣の提案により・・・暫定的にマメーリの賛歌が国歌として採用されることが決定しました」
その後、3度国歌を正式なものにしようという動きがあったが全て失敗。4度目となった2017年12月、法律N.181によって正式にイタリア国歌となった。
EXCELSIOR
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憲法で国の象徴は国旗の記述しかなく国歌に関してはない。
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2017年12月4日(効力の発生は同年12月30日)法律N.181によって正式にイタリア国歌となった。法律の内容は以下の通り。
第1条
1. 共和国は以下の「Canto degli italiani」の歌詞を認める。ゴフレード・マメリとミケーレ・ノヴァーロのオリジナル・ミュージック・スコアを国歌とする
2.1991年1月12日法律第13号第1条第1項第2号の規定に基づき、閣僚理事会の審議を経た共和国大統領の政令により、国歌として「Canto degli Italiani」を演奏する方法が定められる。
この法律には国印が押されており、イタリア共和国の立法制定法の公式大要に掲載されます。観察し、それを行うために責任を負う者の義務がある。国の法律として遵守される。
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公式イベントでは、8節の最初の2節だけが約1分間行われる。
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よく最後に歌われる歌詞「Si!」は公式の歌詞には含まれていない。しかし、大統領府サイトの英語版で紹介されている英語訳の歌詞に“Yes!”と記載されている。
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2012年に承認された法律N.222には学校で国歌を教えるよう定められている。国歌自体は法律で定められていないのに学校で国家を歌うことを求めるという矛盾が発生した。
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2009年、ベルルスコーニ元首相が「死ぬ準備はできている」の部分で“まあまあ”のジェスチャーをして話題に。
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歌詞の単語について
・”スキピオの兜”→有事の際イタリアが準備したのはカルタゴに勝利したスキピオと同じ兜だった。
・5節”Il sangue d’Italia e il sangue Polacco”でポーランド人が登場する。1794 年のコシチュシュコ反乱が失敗に終わった後、多くのポーランドの兵士、将校、志願兵がフランス統治下のイタリアに移住。ナポレオンのイタリア・ロンバルディア共和国を支援する同盟軍として軍団を結成しイタリア統一戦争に参加したことへの敬意。
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エンポリオ アルマーニのスポーツライン、エンポリオ アルマーニ EA7は、2012年ロンドン五輪、2014年ソチ、2016年リオ、2020東京のイタリア代表チームの公式ユニフォームを提供しており、その内側には国歌の歌詞が刺繍されてる。
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最後の”Si!”がみんなで言えると最高に気持ちがいい!!
歌詞
【1】
Fratelli d’Italia, l’Italia s’è desta;
dell’elmo di Scipio s’è cinta la testa.
Dov’è la vittoria? Le porga la chioma
ché schiava di Roma Iddio la creò.
【コーラス】
Stringiamci a coorte!
Siam pronti alla morte;
Siam pronti alla morte;
Italia chiamò.
【2】
Noi siamo da secoli calpesti, derisi
perché non siam popolo, perché siam divisi.
Raccolgaci un’unica bandiera, una speme:
di fonderci insieme già l’ora suonò.
(コーラス)
【3】
Uniamoci, amiamoci; l’unione e l’amore
rivelano ai popoli le vie del Signore.
Giuriamo far libero il suolo natio
uniti, per Dio, chi vincer ci può?
(コーラス)
【4】
Dall’Alpe a Sicilia dovunque è Legnano;
ogn’uom di Ferruccio ha il core e la mano;
I bimbi d’Italia si chiaman Balilla;
il suon d’ogni squilla i Vespri suonò.
(コーラス)
【5】
Son giunchi che piegano le spade vendute;
già l’aquila d’Austria le penne ha perdute.
Il sangue d’Italia e il sangue Polacco
bevè col Cosacco, ma il cor le bruciò.
(コーラス)
歌詞 日本語訳
イタリアの同胞よ
イタリアが目覚めた
スコピオの兜を
頭に被る
ヴィットーリア(勝利の女神)はどこだ?
頭を垂れろ
神は彼女をローマの下僕として創造したのだから
仲間に加われ
我ら死ぬ準備は出来ている
我ら死ぬ準備は出来ている
イタリアが呼んでいる
仲間に加われ
我ら死ぬ準備は出来ている
我ら死ぬ準備は出来ている
イタリアが呼んでいる (そうだ! )
参考:大統領府“共和国の象徴”英語サイト
歌詞 カタカナ読み(製作中)
Fratelli d’Italia, l’Italia s’è desta;
dell’elmo di Scipio s’è cinta la testa.
Dov’è la vittoria? Le porga la chioma
ché schiava di Roma Iddio la creò.
Fratelli d’Italia, l’Italia s’è desta;
dell’elmo di Scipio s’è cinta la testa.
Dov’è la vittoria? Le porga la chioma
ché schiava di Roma Iddio la creò.
Stringiamci a coorte!
Siam pronti alla morte;
Siam pronti alla morte;
Italia chiamò.
Stringiamci a coorte!
Siam pronti alla morte;
Siam pronti alla morte;
Italia chiamò.
国歌に関するリンク
【閣僚理事会の議長(総理大臣) “国歌”】
http://presidenza.governo.it/ufficio_cerimoniale/cerimoniale/inno.html
【大統領府 “共和国の象徴”】
https://www.quirinale.it/page/inno
【イタリア政府公式ジャーナル“憲法N.181”】
https://www.gazzettaufficiale.it/eli/id/2017/12/15/17G00195/sg
【イタリア議会“立法府第14回法案第1967号”】
http://www.senato.it/japp/bgt/showdoc/frame.jsp?tipodoc=Ddlpres&leg=14&id=00069382&part=doc_dc-relpres_r&parse=no
【国立アーカイブ“国歌”】
http://www.settantesimo.governo.it/it/approfondimenti/inno-nazionale/