アルバニア共和国 国歌「旗のもとの団結」
アルバニア共和国 国歌「旗のもとの団結」
タイトル
Rreth Flamurit të Përbashkuar(カタカナ読み確認中)/旗のもとの団結
“Hymni i Flamurit”と紹介されることが多いがアルバニア憲法では“Rreth Flamurit të Përbashkuar”と明記されている。駐日大使館でも確認を行った。
作詞
Aleksandër Stavre Drenova/確認中
1872年生まれ、1947年逝去。オスマン帝国からの独立に熱心に取り組んだ詩人。Asdreniというペンネームでも知られている。
作曲
Ciprian Porumbescu /確認中
ルーマニア人作曲家。オーストリアのウィーン音楽院で音楽を学んだ。
採用年
1912年
成り立ち
公的な情報がなく、アルバニア文化省文化遺産局長のVASIL S. TOLE氏による情報を基に紹介する。
1908年、詩人Aleksandër Stavre Drenovaが”Betimi mi flamur(旗に誓う)”というタイトルで詩を出版。その後、愛国者グループがルーマニアに住む複数の作曲家に”旗に誓う”にあったメロディの作成を依頼し完成したのが現在の国歌『旗のもとの団結』だった。同年10月1日に詩人のHil Mosiらが25人の演奏者で構成された“Freedom Band”を創設。Pasqualeというイタリア人が指揮者となり音楽全般、特に『Betimi mi flamur』の教えが推進された。
1912年4月21日にブルガリアのソフィアにあったアルバニアの新聞、Liri eShqipërisë(アルバニアの自由)で詩として最初に発表された。その後、ルーマニアのブカレストで、アレクサンダー・スタヴレ・ドレーノヴァの詩集に「Ëndrae lot」または「Dreams and Tears」というタイトルで登場。公式の国歌は元の詩よりも2詩短い。(確認中)
1912年11月28日、オスマン帝国からの独立を宣言した際に議会で国旗が掲げられたが、この時に歌われたのは建国前から人気のあった『旗のもとの団結』だった。これがそのまま国歌として認知されるようになる。
1928年、軍司令官だったゾグーがゾグ一1世となり王政に移行。ゾクー1世は国歌を”Hymni i Mbretnisë”(曲Thoma Nasit、作詞Kristo Floqit)という国王を讃えるものに変更しようとした。この2人は、『旗のもとの団結』のメロディをそのままに歌詞のみを変えようと試みたことも分かっている。しかし、これらの提案は国民の反対が強く失敗した。
1939年からイタリアの占領下に置かれゾグーは亡命。1942年から43年にかけて、解放軍の賛歌が作成される。これは現在、軍の賛歌として歌われている。この時代も新しい国歌を導入しようとしたが失敗した。
1944年11月29日にイタリアから解放された後も国歌制作の機運が高まった。45年末~46年初頭の間に、最初の国歌コンクールが開催され多くの作品が集まる。Skėnder Luarasit作詞、Kristo Konos作曲による”Hymn of the new Albania”が1946年1月11日にアルバニアが共和国であることが宣言された際、優勝作品として発表されるも正式な国歌にはならなかった。
その後、70年代初頭にも教育文化大臣とアルバニア作家・芸術家連盟と協力して 国歌コンクールを開催。多くの会議を重ねた上、”E lirė u ngrit toka jonė(我等の地は開放された)”(Fatos Arapit作詞、Ēesk ZadejaとNikolla Zoraqit作曲)が選ばれる。しかしこれも正式には国歌に採用されず、オスマン帝国独立以前から愛されていた『旗のもとの団結』が国歌として歌い継がれている。
法律として制定されたのは2002年7月22日。
EXCELSIOR
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憲法で定められている。内容は以下の通り。
第14条
4.国歌は「旗のもとの団結」とする。
7.国のシンボルの形と大きさ、国歌のテキストの内容、それらの使用は法律によって規制される。
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2002年7月22日に制定された第8926号に下記のように定められている。
第5条
国歌
1.アルバニア共和国の国歌は「旗のもとの団結」とする。
2.国歌の本文の内容は、添付の付録2に示す。この法律は付属され不可欠な部分である。
3.アルバニア国歌のスコアは、付録3に添付されています。この法律は付属され不可欠な部分である。
第6条
国歌の使用
1.すべてのアルバニア国民は国歌を歌う権利を持つ。
2.国歌は公式の式典で歌われる。国歌が演奏される時、我が国が当事者である他の国際的な活動の中で、国のプロトコルに基づき提供される。
3.厳粛なイベントや国家代表のセレモニーでは、国歌の最初の節とリフレインが演奏される。他国の国歌と一緒に演奏される場合は、他の国の国歌が優先される。
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曲はドイツの伝統音楽に由来しておりオリジナルではないという国内の意見もある。(VASIL S. TOLE氏によれば、盗作ではなく国歌という万人に受け入れられるメロディを追求した結果)
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ルーマニアの国民歌「Pe al nostin steag」を作曲したのもCiprian Porumbescu。メロディがほぼ一緒。
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1912年から国歌として歌い継がれてきたものの、これに変わるメロディや歌詞が多くの人に書かれ変更が試みられた。
歌詞に関しては1913年にGjergj Fishtaが1921年にはErnest Koliqiが作品を発表。
1922年には“公式の国歌”を作成するため、教育省が主導でコンテストを開催。賞金として詩人には1000フラン、作曲家には3000フランが送られることまで決まっていた。
1926年11月14日には文部省が国歌コンテストを主催し、ファンS. ノーリによって発表された歌詞が優勝。
さらに、1937年の独立25周年にも、国歌を作るためのコンテストが開催。この時の委員会は現在の国歌について以下のように述べている。
「今日の国歌は“marshi rumun(ルーマニアの行進)”の翻訳であり、そのメロディーもルーマニアの音楽の完全なコピーです」
歌詞のコンテストで優勝したのは「Osoja i Ri」という作品だった。メロディのコンテストでは、イタリアの有名作曲家の作品が優勝するが、どれも人気が出ず正式に国歌に採用されることはなかった。
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1923年にアメリカで設立されたレコード会社 “Albanian Phonograph Records “によって同国初の国歌録音がされた。具体的な日時は不明。
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1929年から1939年まで駐ワシントン アルバニア王国公使館の代表を務めたFaik Konicaが本国に宛てた書簡が興味深い。内容は以下の通り。
「アメリカ外務省から手紙を受け取った。国歌のスコアをほしいという。アルバニアが世界で唯一国歌のバンドスコアを持っていない国であることが判明した」
歌詞
【1】
Rreth flamurit të përbashkuar
Me një dëshir` e një qëllim,
Të gjith` atij duk` ju betuar
Të lidhim besën për shpëtim.
Prej lufte veç ai largohet
Që është lindur tradhëtor,
Kush është burrë nuk friksohet,
Po vdes, po vdes si një dëshmor!
【2】
Në dorë armët do t’i mbajmë
Të mbrojmë atdhenë më çdo kënt,
Të drejtat tona ne s’i ndajmë;
Këtu armiqtë s’kanë vënt.
Se Zoti vetë e tha me gojë
Që kombe shuhen përmi dhe,
Po Shqipëria do të rrojë;
Për të, për të luftojmë ne!
【3】
O flamur, flamur, shenj’ e shenjtë,
Te ty betohemi këtu,
Për Shqipërin’, atdhen’ e shtrenjtë,
Për nder’ edhe lavdimn’ e tu.
Trim burrë quhet dhe nderohet
Atdheut kush iu bë theror.
Për jet’ ay do të kujtohet
Mi dhet, mi dhe si një shenjtor!
歌詞 日本語訳(製作中)
歌詞 カタカナ読み(製作中)
Rreth flamurit të përbashkuar
Me një dëshir` e një qëllim,
Të gjith` atij duk` ju betuar
Të lidhim besën për shpëtim.
Prej lufte veç ai largohet
Që është lindur tradhëtor,
Kush është burrë nuk friksohet,
Po vdes, po vdes si një dëshmor!
国歌に関するリンク
【President.al “Himni Kombëtar Shqiptar”】
【Albanian Parliament “Constitution”】
【アルバニア政府 公式出版センター】(リンク切れ)
https://qbz.gov.al/eli/fz/2002/48/cb69bc78-bd17-48f9-86ba-c82b2c14a61e;q=Rreth%20flamurit%20t%C3%AB%20p%C3%ABrbashkuar
【Vasil S. Tole “Edhe një herë rreth himnit tonë kombëtar“】(アーカイブ)