2018年南北首脳会談記念 南北国歌聞き比べ

今月27日、北朝鮮の最高指導者が初めて韓国入りし首脳会談が行われた。

休戦状態ということもあり、犬猿の仲のように見られがちな両国だが元々は同じ国。両国国歌を見比べると面白い事実が見えてくる。

まずは両国国歌を聞いてみよう。

 

大韓民国国歌『愛国歌』

 

朝鮮民主主義人民共和国国歌『愛国歌』

 

両国とも日本からの独立後に採用された国歌だが穏やかなメロディ。内容も自国の国土の美しさを歌う内容で“独立”や“お国のために”の様な言葉は出てこないという独立を勝ち取った国にしては珍しい国歌と言える。

 

この2つの国歌にはいくつかの共通点がある。

ひとつはすでにお気づきの方がいるかもしれない。じつはタイトルが一緒だ。

また歌詞に“三千里”という単語が両国の国歌にも登場する。これは南北が三千朝鮮里あるという事を意味していて、要するに朝鮮全体のことを言っている。日本だと1里=2キロ半程だが、朝鮮では1里400メートル程。正確には朝鮮半島は1000キロ程だが昔から国土領域を表現する愛称として三千里が使われている。両国の外交スタンスである“南北等距離外交”(南北朝鮮のいずれにも与せず敵対せず双方と外交関係を樹立するスタンス)が垣間見える。

 

また両国歌の作曲者が日本に関係するエピソードを持っている点も面白い。

北朝鮮国歌作曲者の朴世永は映画「パッチギ!」のテーマソングでも知られた「イムジン河」の作者でもある。「帰ってきたヨッパライ」で知られるザ・フォーク・クルセダーズはこの曲を販売する予定で13万枚のシングル盤プレスを終えていたが北朝鮮側から日本語訳が正確でない点などからクレームが入り販売中止になったというエピソードがある。

一方の韓国側の作曲家安益泰は韓国人として黒歴史となるかもしれない。1942年ドイツで行われた満州国創立10周年の記念式典で流れた曲の作曲・式を行った。その時の映像が2006年に発見され親日派が作った曲は国歌として相応しくないという意見が出るほど問題になった。そして彼が平壌生まれというのも面白い点だ。

 

今回国歌斉唱は両国関係が考慮され省略されたものの、2つの歌が同じタイトルであり内容も似ている点はとても興味深い。もしかしたら南アフリカのように2つの歌が一つになることが将来的にあるのかもしれない。