グレナダがしでかした中国を最も怒らせる方法とは

今最も怒らせてはいけない国の一つが中国でしょう。独立した国だと主張する台湾に対しては、国交を結ぶ国々に断交を迫り国際的な孤立をさせたり、ノーベル平和賞が人権家に送られると開催国との貿易を減らしたりなど堂々と不快感を行動に移す国です。今回はそんな中国に不本意ながら喧嘩を売ったカリブ海の島国グレナダのお話です。

中国に喧嘩を売ったグレナダ

2007年2月、グレナダに2万人収容可能なクイーンズパークスタジアムが完成しました。なんと総工費4000万ドルを中国が負担するというグレナダにとってオイシイ話で作られた施設。実は3年前にハリケーンでスタジアムが破壊され困っていた所、手を差し伸べたのが中国でした。500人の中国人労働者が建設に携わり完成した施設は、カリブ海初のワールドカップ開催国になろうという話が出るほど、グレナダにとって今回の竣工は大きな話題となりました。さらに、2005年には台湾と国交を断絶し中国外交を強めていた同国にとって象徴的な存在です。当然のことながら完成祝典には中国大使と多数の中国人労働者を招待。グレナダとしては感謝の気持ちを祝典で最大限表現する予定だったのですが、そこで事件が・・・

なんと式典中に流す国歌を間違えてしまったのです。

しかも台湾の・・・

ご存知の通り、中国にとって台湾は目の上のたんこぶ。1949年内戦によって分裂して以来中国は台湾を反政府勢力とみなしています。よりによって中国に感謝すべき式典で台湾国歌を流すなんて。担当者は肝冷やしたに違いありません。グレナダのミッチェル首相はすぐに声明を発表。警察が国歌を間違えた経緯について調査することを約束しました。国歌の間違いで警察が動くというのは異例です。それだけ今回のプロジェクトが大事であり、よりによって台湾国歌を流してしまった深刻さがうかがえます。

アメリカも中国をイラつかせていた

2006年4月、事件はホワイトハウスに訪問した胡錦濤国家主席を歓迎する式典で発生してしまいました。国歌を流す前のアナウンス。

“Ladies and gentlemen, the national anthem of the Republic of China, followed by the national anthem of the United States of America.”

 

“レディース&ジェントルメン、中国国歌に続きアメリカ国歌です”という所で使われたのが『Republic of China』でした。これは台湾の正式名称。こちらも中国は腹が立ったに違いありません。これらが事故なのか故意なのかは分かりません。ただ、どの国にしろ国歌を間違えるのは失礼ですね。国歌は国の象徴。それを間違えるということは「あなたの国に興味が無い」「あなたの国の知名度低いですよ」って言っているようなものです。特に敵対する国歌が流れたら・・・それにしても台湾国歌を流すなんて恐ろしいくらいのブラックジョークだなぁ^^;

ちなみに中華人民共和国と中華民国の国歌は全く違います。

前者は威勢の良い行進曲調。後者は国父である孫文の三民主義を歌った穏やかな曲です。

なぜ間違えた!

中華人民共和国国歌

中華民国