フランス共和国 国歌「ラ・マルセイエーズ」

フランス共和国 国歌「ラ・マルセイエーズ」

タイトル

La Marseillaise(ラ・マルセイエーズ)/ マルセイユの(歌)

不思議と和訳でも“ラ マルセイエーズ”と紹介され定着している。

作詞

Claude Joseph Rouget de Lisle /クロード・ジョセフ・ルージェ・ド・リール

1760年10月5日、フランス ジュラ県ロン=ル=ソニエ生まれ。幼い頃より音楽に興味を持っていたが、音楽の道には進まず1776年にパリの陸軍士官学校に、1782年にはメジエール工科大学に入学した。1791年にはストラスブールのライン軍に入隊し、Les enfants de la patrie大隊に配属される。
フランス革命後、王政廃止に反対したことから謹慎処分を受ける。復職したものの、第一共和制の時代にはサン=ジェルマン=アン=レーに幽閉されてしまう。釈放後の1796年4月9日に軍人を引退。ナポレオンに失望した彼は、様々なポストを転々とし、小説や歌劇などの執筆活動で細々と生計を立てた。1830年、レジオン・ドヌール勲章を授与される。1836年6月26日(6月30日という説もあり)パリ南部のショワジ・ル・ロワで逝去。遺灰は1915年7月14日にアンヴァリッドに移された。

作曲

同上

採用年

1795年7月14日(1879年再採用)

成り立ち

フランス革命派によるオーストリアへの宣戦布告後の1792年4月25日、ストラスブールに駐在していたフランス軍大尉ルージェ ド リールが、ディトリッチ ストラスブール市長の依頼で『ライン軍のための軍歌((Chant de guerre pour l’armée du Rhin))』を作詞作曲する。市長邸で26日までの一晩で作りあげた。行軍曲として作られた楽譜はマルセイユにいたライン方面軍司令官ニコラ リュクネールに捧げられ、革命の中心派閥 “憲法友の会(のちのジャコバン派)”の宴会の席でも歌われ人気を博す。マルセイユ軍がパリに進軍する途中の町々で歌われた曲が、公の広場で教えられ全国に急速に広まると、『Hymne des Marseillais(マルセイユ人の賛歌)』と呼ばれ、後に『ラ・マルセイエーズ』となり、手書きで写されたり印刷されたりしてアルザス地方に数週間ほどで楽譜が配布された。その後、パリの多くの出版社が取り上げた。全国で歌われるようになった頃、当時の立法府にあたる国民公会が1795年7月14日に『ラ・マルセイエーズ』を国民の歌として制定し、毎日宮殿の前で警備隊が演奏するよう定めた。この日、事実上の国歌となった。
しかし、ジャコバン派への弾圧が始まり『ラ・マルセイエーズ』はその象徴的な存在として、ナポレオンによる帝政時代と次の王政復古期では歌うことを禁止された。帝政時代には『Veillons au salut de l’Empire』が国歌として歌われる。
1830年、主権を王から国民に転換させた7月革命で再評価され表舞台に戻る(レ・ミゼラブルなどでも登場)。1830年から1848年の間(7月王政)では『La  Parisienne』、1848年から1852年には『Le Chant des Girondins』、1852年から1870年まで『Partant pour la Syrie』(非公式)が国歌として使われた。1848年の革命の際も『ラ マルセイエーズ』が国民の間で歌われる。
第三共和政時代の1879年2月14日、下院が『ラ・マルセイエーズ』を国歌に採用。1887年には戦争省が委員会の答申に基づき、作曲家で構成された委員会が歌詞とメロディに手直しをし “公式版”を定め、これが現在でも使われている。
このように、主権が国民に移るたびに『ラ・マルセイエーズ』は国歌としての地位を復活させていった。
ナチスドイツに占領された1941年には国歌や国旗に規制をかけ。国歌に関しては政府関係者がいないところでの演奏は許可なしではできないとした。
戦後の1946年10月27日に国歌を『ラ・マルセイエーズ』だと定めた憲法を制定。1958年に定められた憲法でも改めて上記内容が明記された。

EXCELSIOR

憲法第一章第二条で“L’hymne national est la “Marseillaise””と明記されている。

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法律は確認できなかった。

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国歌に対する決まりに関して2017年7月13日、フランス議会で国歌演奏時の規則について問われ “国歌演奏中での態度に関しての、法律や規制はありません”と内務省が答えている。一方で国歌に対する侮辱したと認定される行為は刑法第433-5-1条(2003年3月19日から有効)により、7,500ユーロの罰金および、6か月の禁固刑が科せられる。

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初期の版が作者不詳だったため、無名の作曲家だったルージェ ド リールが本当の作者であることに疑問を持たれていた。現在でも別の人物が作ったのではという意見がある。

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当初、『ラ・マルセイエーズ』には決まった形がなく、歌詞の有無も定まっていなかった。1879年の制定時には基準を定めなかったために、異なる楽隊が集まると大混乱に陥ることもあった。

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『ラ・マルセイエーズ』を贈られたライン方面軍司令官ニコラ リュクネールは現在のドイツ バイエルン州Cham出身。Cham市庁舎にある鐘は毎日12:05に『ラ・マルセイエーズ』を奏でニコラ リュクネールに捧げている。ちなみに庁舎のある広場にはリュクネールの噴水がある。
https://www.youtube.com/watch?v=6zfVZF0RUKY

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歌詞は何度か修正が加えられ現在に至る。

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7番は作詞者不詳、1792年に追加された(Louis DuboisやPessonneaux修道院が制作者として挙げられている)。

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チリ社会党の党歌『Marsellesa Socialista』やペルーのアメリカ人民革命同盟の賛歌は『ラ・マルセイエーズ』のメロディを採用している。

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ビートルズの「ALL YOU NEED IS LOVE」や名古屋グランパスの応援歌でメロディが使われる。

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たいていのフランス人は1番はしっかり歌えるが、7番まで歌える人が少ない。

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フランス革命前に王室歌として使われていた『Grand Dieu Sauve le Roi(神よ 偉大な王を護り給え)』はルイ14世の痔からの回復を祈って作られたもので、これがのちのイギリス国歌『神よ女王を護り賜え』になる。

歌詞

【1】

Allons enfants de la Patrie,
Le jour de gloire est arrivé !
Contre nous de la tyrannie,
L’étendard sanglant est levé,
Entendez-vous dans les campagnes
Mugir ces féroces soldats ?
Ils viennent jusque dans vos bras
Egorger vos fils, vos compagnes !

【リフレイン】

Aux armes, citoyens,
Formez vos bataillons,
Marchons, marchons !
Qu’un sang impur
Abreuve nos sillons !

【2】

Que veut cette horde d’esclaves,
De traîtres, de rois conjurés ?
Pour qui ces ignobles entraves,
Ces fers dès longtemps préparés ?
Français, pour nous, ah ! quel outrage
Quels transports il doit exciter !
C’est nous qu’on ose méditer
De rendre à l’antique esclavage !

【3】

Quoi ! des cohortes étrangères
Feraient la loi dans nos foyers !
Quoi ! ces phalanges mercenaires
Terrasseraient nos fiers guerriers !
Grand Dieu ! par des mains enchaînées
Nos fronts sous le joug se ploieraient
De vils despotes deviendraient
Les maîtres de nos destinées !

【4】

Tremblez, tyrans et vous perfidies
L’opprobre de tous les partis,
Tremblez ! vos projets parricides
Vont enfin recevoir leurs prix !
Tout est soldat pour vous combattre,
S’ils tombent, nos jeunes héros,
La terre en produit de nouveaux,
Contre vous tout prets à se battre !

【5】

Français, en guerriers magnanimes,
Portez ou retenez vos coups !
Épargnez ces tristes victimes,
A regret s’armant contre nous.
Mais ces despotes sanguinaires,
Mais ces complices de Bouillé,
Tous ces tigres qui, sans pitié,
Déchirent le sein de leur mère !

【6】

Amour sacré de la Patrie,
Conduis, soutiens nos bras vengeurs
Liberté, Liberté chérie,
Combats avec tes défenseurs !
Sous nos drapeaux que la Victoire
Accoure à tes mâles accents,
Que tes ennemis expirants
Voient ton triomphe et notre gloire !

【7】

Nous entrerons dans la carrière
Quand nos aînés n’y seront plus,
Nous y trouverons leur poussière,
Et la trace de leurs vertus,
Bien moins jaloux de leur survivre,
Que de partager leur cercueil,
Nous aurons le sublime orgueil,
De les venger ou de les suivre

 

歌詞 日本語訳

 

歌詞 カタカナ読み

【1】

アロオンフォン ドゥラ パトリィーーエ

ルジュドゥ グロアエー アリヴェ

コントラヌゥ ドゥラ チラーニーエー

リトンダァハ サングロン エルヴィ

リトンダァハ サングロン エルヴィーーー

オトンデブード ヌゥコンパーニュ

ムージィア セーフィロス セスソンダーー

ヴィエキンイ ジゥスク ドンヌ ヴォガ

エゴシー ヌゥフィス ノスコンパーーニュ

オゥザーー バムシィドォクヤーーン

フォゴーーメ ヴァタヨーーン

マルショーン マルショーン

キャン ソン アンプー

アヴォヴーー ヌゥシィオン

国歌に関するリンク

【政府ポータル “Constitution du 4 octobre 1958”】
https://www.legifrance.gouv.fr/loda/id/LEGITEXT000006071194/

【国会 “Les paroles de la Marseillaise”】
https://www2.assemblee-nationale.fr/decouvrir-l-assemblee/histoire/dossier-historique-la-marseillaise/les-paroles-de-la-marseillaise

【国会 “La Marseillaise : hymne national”】
https://www2.assemblee-nationale.fr/decouvrir-l-assemblee/histoire/dossier-historique-la-marseillaise/la-marseillaise-hymne-national

【国会 “Décret du 26 messidor an III (14 juillet 1795)”】
https://www2.assemblee-nationale.fr/decouvrir-l-assemblee/histoire/dossier-historique-la-marseillaise/decret-du-26-messidor-an-iii-14-juillet-1795

【国会 “The Marseillaise”】
https://www2.assemblee-nationale.fr/langues/welcome-to-the-english-website-of-the-french-national-assembly/history-and-heritage/the-marseillaise

【上院議会 “Règles et usages lors de cérémonies au retentissement de l’hymne national”】
https://www.senat.fr/questions/base/2017/qSEQ170700243.html

【上院議会 “Article 433-5-1 – Code pénal”】
https://www.legifrance.gouv.fr/codes/article_lc/LEGIARTI000006418556/

【data.bnf.fr “Claude Joseph Rouget de Lisle (1760-1836)”】
https://data.bnf.fr/en/13980042/claude_joseph_rouget_de_lisle/

【駐日本大使館国歌『ラ・マルセイエーズ』”】
https://jp.ambafrance.org/article4044

【Stadt Cham “Marktplatzbrunnen”】
https://www.cham.de/Stadt-B%C3%BCrger/Die-Stadt/Sehensw%C3%BCrdigkeiten/Geb%C3%A4ude-und-Brunnen/Marktplatzbrunnen/?&La=1

【Partido Socialista de Chile “Marsellesa Socialista”】
https://portal.pschile.cl/himno-partido-socialista-de-chile/

【Music and the Holocaust “ANTHEMS FOR FRANCE”】
http://holocaustmusic.ort.org/resistance-and-exile/french-resistance/anthems-for-france/

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