ウェールズ 国歌「我が父祖の土地」
ウェールズ 国歌「我が父祖の土地」
タイトル
Hen Wlad fy Nhadau(ヘン ウラッド ヴー ナーダイ) /我が父祖の土地
作詞
Evan James/エヴァン ジェームス
1809年、ウェールズ生まれ。機織りと羊毛の販売を行っていた。息子が幼い頃に、のちの国歌生誕地となるポンティプリッドに家族で移住。1878年逝去。
彼が1800年代半ばに制作したとされるハープが国立博物館に残されている。
作曲
James James/ジェームス ジェームス
1833年ウェールズ生まれ。ウェールズの伝統楽器ウェールズハープ演奏者でポンティプリッドにある宿屋や酒屋で演奏をしていた。芸名を“Iago ap Ieuan”とし、自身もパブを経営。1902年1月11日に逝去し、妻と娘が眠るAberdareの教会に埋葬された。
採用年
慣例で歌われている。
成り立ち
1856年1月ジェームス ジェームスが、ロンダ川の岸辺を歩きながら作曲し、家に帰ると父親にメロディに合わせて詩を書くことを依頼。エヴァンは翌朝までに書き上げたと言われている。国立図書館によれば、制作経緯に関しては諸説ありハッキリとしたことはわかっていない。
完成からわずか1週間後、「Glan Rhondda(ロンダのほとり)」というタイトルでマエステグのテイバー礼拝堂でポンティプリッド出身のエリザベス・ジョンという16歳の歌手によって初めて披露された。人気を得た同作品はウェールズ歌曲集として出版され愛国的な行事で人気曲となり、特に1858年にランゴレンのアイステズヴォドで演奏されて全国的に有名になった。その人気はウェールズに限らず、他の国でも評判になる。もともとはダンス用に作られた曲だったため速いテンポで演奏されていたが、大勢が一緒に歌いやすいようにテンポが遅くなり、現在も慣例として国歌として歌われている。
EXCELSIOR
♪
憲法や法律では定められていない。
♪♪
原稿はウェールズ国立図書館に所蔵されている。
♪♪♪
1930年7月23日、ポンティプリッドのYnysangharad公園にエヴァン ジェームズとジェームズ ジェームズの記念碑が建てられた。
♪♪♪♪
世界で初めて国際試合の前に歌われた国歌と言われている。1905年に行われたニュージーランドとのラグビーの試合前に歌われた。これはニュージーランドのハカへの対抗手段として。結果は3−0でウェールズが勝利した。
♪♪♪♪♪♪
メロディは同じケルト圏のコーンウォール賛歌「我らの父の祖国(Bro Goth agan Tasow)」やブルターニュ賛歌「我が父祖の地(Bro Gozh ma Zadou)」(1902採用)と同じで、当時いかに人気だったのかが伺える。また、19世紀にアルゼンチンへ移住したウェールズ陣たちのコミュニティ“Y Wladfa”の賛歌「Gwlad Newydd y Cymry」も同じメロディ。
♪♪♪♪♪♪♪
歌詞は、アメリカへ一緒に移住することをエヴァンに説得していた兄への返事だと言われている。
♪♪♪♪♪♪♪♪
手話バージョンも政府サイトで紹介されている。
https://youtu.be/wq7SHpfmmR0
♪♪♪♪♪♪♪♪♪
この曲はイギリス民謡であるという多くの批判があった。ジェームスは反論のため、この曲をどのように作曲したかを説明する手紙をサウス・ウェールズ・デイリー・ニュース紙に送っている。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ウェールズ王室の紋章には歌詞のコーラスにある“PLEIDIOL WYF I’M GWLAD”が記載されている。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1993年、ウェールズ担当大臣に新しく任命されたジョン・レッドウッドは、ウェールズ国歌を歌えていないところを撮影され、その様子が世間で知られることになってしまった。ジョン・メージャー元首相の自伝によると、レッドウッドの後継者ウィリアム・ヘイグが任命された時、最初に言ったことは、歌詞を教えてくれる人を見つけたほうがいいということだった。彼は国歌の指導者としてFfion Hagueを見つけたわけがだ、後に彼女が妻となった。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
通常は1番とコーラスのみ歌われる。
歌詞
【1】
Mae hen wlad fy nhadau yn annwyl i mi,
Gwlad beirdd a chantorion, enwogion o fri;
Ei gwrol ryfelwyr, gwladgarwyr tra mâd,
Tros ryddid gollasant eu gwaed.
【コーラス】
Gwlad, Gwlad, pleidiol wyf i’m gwlad,
Tra môr yn fur i’r bur hoff bau,
O bydded i’r heniaith barhau.
【2】
Hen Gymru fynyddig, paradwys y bardd;
Pob dyffryn, pob clogwyn, i’m golwg sydd hardd
Trwy deimlad gwladgarol, mor swynol yw si
Ei nentydd, afonydd, i fi.
(コーラス)
【3】
Os treisiodd y gelyn fy ngwlad dan ei droed,
Mae hen iaith y Cymry mor fyw ag erioed,
Ni luddiwyd yr awen gan erchyll law brad,
Na thelyn berseiniol fy ngwlad.
(コーラス)
歌詞 日本語訳
【1】
我が父祖の地は我に親しく
吟遊詩人と歌うたいと誉れ高き者らの地
勇敢な戦士ら、輝かしき愛国者らは
自由のために血を流す
【コーラス】
御国よ!御国よ!我は国に忠実なり!
海に守られし、清く親愛なるこの土地で
いにしえの言葉が永らえんことを
【2】
いにしえの山の国、吟遊詩人の楽園よ
いずれの谷、いずれの崖、我には美しく見えん
祖国の愛を通じて、川の流れる音も小川のせせらぎも
我には心地よく聞こえん
(コーラス)
【3】
たとえ敵が我が土地をその膝下に置いたとしても
ウェールズのいにしえの言葉は永久に生き続け
精霊は恐るべき反逆の手で妨げられることはなく
祖国の琴の音が止むこともなし
(コーラス)
出典:Wales.com
歌詞 カタカナ読み
国歌に関するリンク
【Wales.com “詩人、歌手、スター:ウェールズの国歌”】
【Wales.com “我が父祖の土地: ウェールズの国歌”】
【BBC “Welsh anthem – The background to Hen Wlad Fy Nhadau”】
【BBC “First Welsh law’s royal approval”】
【BBC “The anthem in more recent years”】
【BBC “James James, composer of Hen Wlad Fy Nhadau”】
関連記事