ベルギー王国 国歌「ブラバンドの歌」
ベルギー王国 国歌「ブラバンドの歌」
タイトル
De Brabançonne(オランダ語) La Brabançonne(フランス語) Das Lied von Brabant(ドイツ語)/
政府ポータルでは“Brabançonne(オランダ語)” “La Brabançonne(フランス語)” “Brabançonne(ドイツ語)”と記載されている。当サイトは王室ページでの記載を採用した。
※以降、現地語表記はオランダ語で記載。
作詞
Louis-Alexandre Dechet /確認中
1801 年1 月 27 日フランス・ローヌ生まれの俳優。革命軍に入隊し、 1830年10月18日にリール近郊での戦闘で逝去した。
作曲
François Van Campenhout /確認中
1779年5月2日ベルギー・ブリュッセル生まれの音楽家。幼少期より音楽を学びオーケストラのヴァイオリニストになる。テノール歌手とも活動し、1807年にはナポレオン・ボナパルトからオランダ王に任命された弟ルイ・ボナパルトの宮廷に入り王立劇場の第一テノール歌手になった。しかしそれほど評価されず、1828年から作曲活動に専念。複数のオペラハウスや劇場に所属し様々な音楽を作曲した。1848年4月25日ベルギー・ブリュッセルで逝去。
採用年
1830年9月
公式な制定はないため作曲が完了した日とした。
成り立ち
1830年9月のある晩、革命運動をする若者数名がブリュッセルのGreep通りにあるカフェ「L’Aigle d’Or」の1階ラウンジで談笑する中、若手俳優のLouis-Alexandre Dechetが、自ら書いた革命的願望を表現した詩の一節を当時の公用語であったフランス語で暗唱した。
メロディーは数日後に詩に合わせFrançois Van Campenhoutによって作曲される。初演は同年10月初旬にブリュッセルにあるモネ劇場で行われた。この時、Louis-Alexandre Dechetの詞に合わせるためメロディーの修正が行われている。
歌詞も数度変更があった。最初の変更はLouis-Alexandre Dechet自身によってベルギーの独立を求める内容に変更された。1830年10月18日、Louis-Alexandre Dechetが戦士すると彼の弟が第4節を追加。1860年には、オランダ国王への敵対心が強く表現された内容をシャルル・ロジェ首相が修正。それが現在でも使われている。
現在のオランダ語版が1938年に公式に承認されたという情報もあるが確認できなかった。
EXCELSIOR
♪
憲法193条で国旗と国章に関して書かれているが国歌に関しての記載はない。
♪♪
法律は確認できなかった。
♪♪♪
実際、「ブラバンソンヌ」の正式版は存在しないという情報が多数を占める。いくつかの委員会が「ブラバンソンヌ」のテキストとメロディーを研究し、公式バージョンを作成する動きがあったが成果は出せなかった。1921 年 8 月 8 日の内務省の通達では、シャルル・ロジェのテキストの第 4 節のみ、オランダ語とフランス語の両方で公式版とみなされるべきであると書かれている。そのため、ドイツ語版はこの“公式の”オランダ語とフランス語から訳す必要があるため2つのパターンが存在し、国内で統一がされていない。その証拠に政府ポータルドイツ語版では2パターンのドイツ語歌詞が載せられている。更に同サイトでのドイツ語ページでの情報は少なく、他の2言語との情報格差を感じる。
♪♪♪♪
3言語ミックスバージョンもあるが公式の歌詞はないため、いくつかのパターンが存在する。以下は2023年に王立ベルギーサッカー協会は発表した歌詞。
(オランダ語)
O dierbaar België, o heilig land der vaad’ren
Onze ziel en ons hart zijn u gewijd
Aanvaard ons kracht en het bloed van onze adren
Wees ons doel in arbeid en in strijd.
(フランス語)
Tu vivras toujours grande et belle
Et ton invincible unite
Aura pour devise immortelle
Le Roi, la Loi, la Liberté !
(ドイツ語)
Gesetz und König und die Freiheit hoch!
(オランダ語)
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht!
♪♪♪♪♪
ブリュッセルのシュール・デ・ショキア広場には「デ・ブラバンソンヌ」記念碑があり、フランスとオランダの国歌の歌詞の一部が刻まれている。
♪♪♪♪♪♪
Louis-Alexandre Dechetは1840年9月の独立10周年に向けて作曲したレクイエムで国歌のメロディーを引用している。
♪♪♪♪♪♪♪
政府ポータルのオランダ語版歌詞では“dat ge onbevreesd”と表記されているが、他のサイトでしばしば“dat g’ onbevreesd”と表記されているのが見られる。どちらが正しいのか確認中。
歌詞
【オランダ語】
‘O dierbaar België O heilig land der vaad’ren
Onze ziel en ons hart zijn u gewijd.
Aanvaard ons kracht en het bloed van onze adren,
Wees ons doel in arbeid en in strijd.
Bloei, o land, in eendracht niet te breken;
Wees immer u zelf en ongeknecht,
Het woord getrouw, dat ge onbevreesd moogt spreken:
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht.
Het woord getrouw, dat ge onbevreesd moogt spreken:
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht.
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht.
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht.
【フランス語】
O Belgique, ô mère chérie,
A toi nos coeurs, à toi nos bras,
A toi notre sang, ô Patrie !
Nous le jurons tous, tu vivras !
Tu vivras toujours grande et belle
Et ton invincible unité
Aura pour devise immortelle :
Le Roi, la Loi, la Liberté !
Aura pour devise immortelle :
Le Roi, la Loi, la Liberté !
Le Roi, la Loi, la Liberté !
Le Roi, la Loi, la Liberté !
【ドイツ語】2パターンが存在する。
1
O liebes Land, o Belgiens Erde,
Dir unser Herz, Dir unsere Hand,
Dir unser Blut, dem Heimatherde,
wir schworen’s Dir, o Vaterland!
So blühe froh in voller Schöne,
zu der die Freiheit Dich erzog,
und fortan singen Deine Söhne:
‘Gesetz und König und die Freiheit hoch!’
2
O Belgien, o teure Mutter, Dir gehören
unsere Herzen, unsere Arme!
Dir gehört unser Blut, Vaterland!
Alle schwören wir Dir: Du wirst leben!
Grosz und schön wirst Du immer leben
und der Wahlspruch Deiner
unverbrüchlichen Einheit wird heiszen:
Für König, Recht und Freiheit!
歌詞 日本語訳
歌詞 カタカナ読み
国歌に関するリンク
【政府ポータル“Hymnes”】
https://www.belgium.be/nl/over_belgie/land/belgie_in_een_notendop/symbolen/hymnes
【上院議会“DE BELGISCHE GRONDWET”】
https://www.senate.be/doc/const_nl.html#const
【De Belgische Monarchie “Symbolen”】
https://www.monarchie.be/nl/voor-kinderen/symbolen
【The Brussels Times “Hidden Belgium: The National Anthem”】
https://www.brusselstimes.com/259736/hidden-belgium-the-national-anthem
【フランス国立図書館 “Jenneval (1801-1830)”】
https://data.bnf.fr/14329475/jenneval/
【フランドル音楽研究センター “Van Campenhout, Frans”】
https://www.svm.be/componisten/van-campenhout-frans
【王立ベルギーサッカー協会 “MONTEZ SUR LE TERRAIN AVEC LES DIABLES POUR CHANTER LA BRABANÇONNE”】
https://www.rbfa.be/fr/nouvelles/BRD-BELEST-120923