鳥年は国歌の年!? 国歌に登場する動植物たち 【植物+α篇】
動物篇では4つの現役国歌を紹介しました。植物はもっと少なくて2カ国しかありません。
カナダ国歌はモミジ(カエデ)に、なぜかマツ
カナダ国歌『オ―カナダ』の2番より。
オ―カナダ
マツ モミジの生うる国
国旗にデカデカと描かれているモミジはもちろんマツもカナダでは多く見られる身近なもの。紅葉は観光資源にもなっていて、両植物とも世界中から観光客を呼ぶ美しい植物です。カナダの大地の美しさを謳う2番にふさわしい植物と言えますね。
日本『君が代』もモノ好き国歌
巌となりて
苔の生すままに
コケを国歌に使うのは日本くらいでしょう。じめじめした所を好み地面に貼りついたイメージがあるコケ。国歌に相応しいかと考えてしまうところですが、そこに着目するのが日本人のいいところですよね。コケは長い時間状態が維持された場所で無くては育ちません。その性質を“永い時間”の比喩表現として用いています。
君が代の詳細はこちら!
植物も動物も登場する レバノン国歌
レバノン国歌『レバノン国歌』
【2番】
老いも若きも 国の呼びかけを待つ。
危急迫ればジャングルのライオンのごとし。
【3番】
不朽の象徴、シーダー(レバノン杉)はその誇り
前回紹介した国歌たち同様、力の象徴としてライオンが登場します。そして聞き慣れないレバノン杉とはレバノンの象徴的な植物。群生地は世界遺産にも登録されていて同国の主要観光地の一つになっています。この杉は国旗にも登場するほど国民に愛されているんです。
伝説上の生き物も登場する竜の王国 ブータン
ビャクダンに飾られたる雷竜王国におわします
聖俗ふたつの教えの守り手
ブータン国歌『雷竜王国』は日本ではあまり馴染みのないビャクダンが使われているのが特徴です。ビャクダンはインド原産のイネ科の植物で仏教儀式において欠かせない香料。仏教を国教にしているブータンならではと言えます。
またタイトルにもある雷竜も仏教と密接な関係があります。仏教には様々な宗派があるのですが、ブータンが国教としているのはチベット仏教のドゥク派。この“ドゥク”というのが雷竜を意味しているんです。ブータンがいかに仏教と密接に関わってきた国なのかが分かる歌ですね^^
2017年→鳥年→国歌の年!?
数少ないですが、バラエティに富んだ動植物が登場する国歌たち。これらは国を思いはせる時に使われたり、鼓舞させるために使われたりしてきました。2017年、国歌で一番多い“鳥”の年ということで国歌にとっていい一年になりますように^^
今回掲載する歌詞は悠書社が出版している『世界の国歌総覧』から引用させて頂きました。