ハイチ共和国 国歌「デサリーヌの(歌)」
ハイチ共和国 国歌「デサリーヌの(歌)」
タイトル
La Dessalinienne (ラ・デサリニェンヌ)/デサリーヌの(歌)
作詞
Justin Lhérisson /ジュスティン レギソン
1873年2月10日ハイチ・ポルトープランス生まれ。詩人、ジャーナリスト、作家、編集者、文学と社会学の教授、弁護士。フランス語とクレオール語の表現を使って、庶民の日常を描くハイチ文学のジャンル「ロディアン(Lodyans)」の父と呼ばれている。16歳でジャーナリストになり、26歳で新聞“Le Soir”を立ち上げた。1907年11月15日34歳で逝去。
作曲
Nicolas Geffrard /ニコカス ジェフガ
1871年3月12日ハイチ・Gonaïves生まれ。フランスで教育を受けたのち帰国し音楽を教えながら作曲活動を行った。1930年逝去。ハイチ革命に参加し独立宣言に署名したNicolas Geffrard将軍(1761-1806)を叔父にもち、Fabre Nicolas Geffrard元大統領(1806-1878)の孫。
採用年
1919年8月5日
国歌を法制化する法律が議会によって可決された日。
成り立ち
17世紀からフランスの植民地だったハイチ。フランス革命が発生するとその影響を受け、1791年には黒人奴隷による暴動が発生する。これにより1794年奴隷制を廃止。翌年の1775年にはフランス国歌ラ・マルセイエーズが国歌として採用された。大使館の情報によれば、当時のハイチの“Political affairs”に基づく判断だったという。
1804年にフランスから独立してからしばらく国歌が存在しない時代が続く。初の独自国歌が誕生したのは1893年。現在では大統領の賛歌として使用されている『我らの先祖が足枷を断ち切った時(Quand nos Aïeux brisèrent leurs entraves)』が国歌として採用された。どのようなきっかけで誕生したのかは大使館の聞き取りからは分からなかった。
1904年の独立100周年に向けて設立された100周年記念協会のミッションの一つとして、新たな国歌を作成する動きが始まる。大使館の情報では特段理由があってというより100周年だからという理由だったという。1903年6月、歌詞のコンペを開催。5人の審査員によって6作品からJustin Lhérissonの詩が選ばれた。この歌詞に合ったメロディの募集がすぐに行われ1903年9月に締め切られた。国立宮殿音楽隊長のOccide Jeantyを含む審査員によってNicolas Geffrardのメロディが選ばれる。コンペ後、歴史学者のClément Lanierの提案で建国の父として敬愛されていたジャン=ジャック・デサリーヌを称えるため国歌のタイトルを『ラ・デサリーヌ』にすることが提案された。
初演は1903年10月17日など様々な説があり、1904年1月1日の独立100周年記念式典で一般に“国歌”として紹介され慣例として演奏されるようになる。
1915年から1934年のアメリカ占領時代は『ラ・デサリーヌ』の演奏が禁止された。
1919年8月5日に『ラ・デサリーヌ』を国歌に法制化する法律が議会によって採択され、1946年の憲法制定によって国歌の地位を確実なものとした。
EXCELSIOR
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憲法第1章第5条で「国歌はLa Dessalinienneである」と記載されている。
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法律では1919年に制定された“«Dessalinienne»と題する歌をハイチ国歌と宣言する法律”がある。制作者の名前とタイトルが記載されている。
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よっぽどのことがない限り全てのスタンザが歌われることはない。公の場では通常、1番・5番が歌われる。しかし、国民の間では1番のみが歌われることが多い。(駐日ハイチ大使館提供情報)
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慣例で国歌斉唱の際は起立が求められている。
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ハイチ・クレオール語で国歌が初めて歌われたのは1986年に人気歌手Ansy Déroseによってだった。
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小学校、中学校、高校では、毎朝日替わりで1節ずつ歌われる。
歌詞
【1】
Pour le Pays, pour les Ancêtres
Marchons unis, marchons unis
Dans nos rangs point de traîtres
Du sol soyons seuls maîtres
Marchons unis, marchons unis
Pour le Pays, pour les Ancêtres
Marchons, marchons, marchons unis
Pour le Pays, pour les Ancêtres
【2】
Pour les Aïeux, pour la Patrie
Bêchons joyeux, bêchons joyeux
Quand le champ fructifie
L’âme se fortifie
Bêchons joyeux, bêchons joyeux
Pour les Aïeux, pour la Patrie
Bêchons, bêchons, bêchons joyeux
Pour les Aïeux, pour la Patrie
【3】
Pour le Pays et pour nos Pères
Formons des Fils, formons des Fils
Libres, forts et prospères
Toujours nous serons frères
Formons des Fils, formons des Fils
Pour le Pays et pour nos Pères
Formons, formons, formons des Fils
Pour le Pays et pour nos Pères
【4】
Pour les Aïeux, pour la Patrie
O Dieu des Preux, O Dieu des Preux
Sous ta garde infinie
Prends nos droits, notre vie
O Dieu des Preux, O Dieu des Preux
Pour les Aïeux, pour la Patrie
O Dieu, O Dieu, O Dieu des Preux
Pour les Aïeux, pour la Patrie
【5】
Pour le Drapeau, pour la Patrie
Mourir est beau, mourir est beau
Notre passé nous crie:
Ayez l’âme aguerrie
Mourir est beau, mourir est beau
Pour le Drapeau, pour la Patrie
Mourir, mourir, mourir est beau
Pour le Drapeau, pour la Patrie
歌詞 日本語訳
【1】
祖国のため、祖先のため
団結し進め 団結し進め
我が隊列に裏切り者はいない
我らがこの地の唯一の主になろう
団結し進め 団結し進め
祖国のため、祖先のため
進め、進め、団結し進め
祖国のため、祖先のため
【2】
先祖のため、祖国のため
喜んで働こう、喜んで働こう
畑が実を結ぶ時
魂は屈強になる
喜んで働こう、喜んで働こう
先祖のため、祖国のため
働こう、働こう、喜んで働こう
先祖のため、祖国のため
【3】
祖国と祖先のため
我が子を鍛えよ、我が子を鍛えよ
自由で強く繁栄せよ
我らは常に兄弟である
我が子を鍛えよ、我が子を鍛えよ
祖国のため、祖先のため
鍛えよ、鍛えよ、我が子を鍛えよ
祖国のため、祖先のため
【4】
先祖のため、祖国のため
おお勇敢なる神よ、勇敢なる神よ
無限の加護のもとに
我が権利と生命を
おお勇敢なる神よ、勇敢なる神よ
先祖のため、祖国のため
神よ、神よ、勇敢なる神よ
先祖のため、祖国のため
【5】
旗のため、祖国のため
死は名誉なこと、死は名誉なこと
過去は我らに叫ぶ
精神を鍛えよと
死は名誉なこと、死は名誉なこと
旗のため、祖国のため
死は、死は、死は名誉なこと
旗のため、祖国のため
歌詞 カタカナ読み
【1】
プルペイー プゥレーザァンセートゥ
マルションズ ユニ マルショーンズ ユニー
ダンノハーン ポエーン デートレトゥ
ドゥーソール ソワヨオーン セールス メーートゥ
マールショーンズ ユニ マールショーンズ ユニ
プルペイー プゥレーザァンセーートゥ
マールショーンズ マルショーンズ マルショーンズ ユーニー
プルペイー プゥーレーザァンセートゥ
【5】
プルードラポ ポルラ パートリーーユ
ムゥリル エボー ムゥリーール エボー
ノートレ パッセ ヌクリーユ
エイエーラム アーグーリーーユ
ムゥーリール エボ ムゥーリール エボ
プルードラポ ポルラー パトリーーユ
ムゥーリール ムゥリール ムゥリール エーボーー
プルードラポ ポールラ パートリーーユ
国歌に関するリンク
【Embassy of Haiti in Washington, DC“NATIONAL ANTHEM”】
【Embassy of Haiti in Washington, DC“RÉFÉRENDUM POUR UNE NOUVELLE CONSTITUTION”】
【L’Ambassade de la République d’Haïti en France“Les Symboles de la République”】
【Oxford Reference “Geffrard, Nicolas Fénelon”】
【Le nouvelliste “Le ministère de la Culture et de la Communication lance officiellement”】
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