ドミニカ共和国 国歌「ドミニカ共和国国歌」

ドミニカ共和国 国歌「ドミニカ共和国国歌」

タイトル

Himno Nacional de la República Dominicana(イムノ・ナショナル・デ・ラ・レプブリカ・ドミニカーナ)/ドミニカ共和国国歌

“Quisqueyanos Valientes(勇敢なるドミニカ人)”で紹介されることがあるがこれは正式なタイトルではない。1934年の国歌採用時は“Himno Nacional”という名だった。

作詞

Emilio Prud’Homme /エミリオ・プリュドム

1856年8月20日プエルト・プラタ生まれの弁護士、作家。国民議会副議長、司法・公教長官、最高裁判所判事を歴任。1932年7月21日、サント・ドミンゴで逝去した。

作曲

Jose Reyes /ホセ・レイエス

1835年11月15日サント・ドミンゴ生まれ。軍楽隊指揮者から音楽を学び、特にチェロに力を入れた。1905年1月31日、サント・ドミンゴにて逝去。

採用年

1934年5月30日

成り立ち

1883年、作曲家のホセ・レイエスがパリの新聞『El Americano』に掲載されたアルゼンチン国歌に感化され、自分の国のために作曲をしたいという思いが始まりだった。歌詞はホセ・レイエスが友人のエミリオ・プリュドムに制作を依頼し完成させた。

歌詞は1883年8月16日週刊新聞『El Eco de la Opinion』で初めて公に発表された。初演は1883年8月17日首都サント・ドミンゴ市にあるRespetable Logia Esperanzaの第9ホールで再独立20周年を祝して行われたコンサートだった。コンサートではホセ・レイエスが自らチェロを弾いた。1884年2月27日、ベネゼエラに亡命していた国の英雄で国父とも言われるJuan Pablo Duarteの遺骨がドミニカ共和国に戻ってきた際にもメロディが流されるほど人気を博す。

その後、オリジナルの歌詞は歴史的な誤りなどがあると知識人たちから批判されたりし、メロディに合わせ新たな歌詞を制作する人もいた。そこで1897年、Emilio Prud’Hommeがオリジナルの詩を修正し新聞『El Teléfono』で発表したものが今の歌詞になった。
同年6月7日、議会がこの歌を国歌に定める議会決議を出したが、Ulises Heureaux大統領は法制化を認めなかった。これは、エミリオ・プリュドムが大統領の独裁政権に公然と批判していたことが原因だったと考えられている。その後大統領が反対勢力に暗殺され制定は見送られた。

以降、政治的混乱が続き国歌として採用されたのは1934年5月30日、法律700号がRafael Leónidas Trujillo政権下の国民議会での制定によってだった。

EXCELSIOR

憲法では以下のように書かれている

第33条 国歌
国歌は、ホセ・レイエスが作曲し、エミリオ・プリュドムが作詞したもので、たったひとつの不変のものである。

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1934年に制定された法律700号の内容は確認できなかった。

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国歌の取り扱いは2008年9月2日に施行された『国家シンボル法』の第Ⅳ章で定められており、最初の4節を歌うことが定められており、それ以下では歌ってはいけないと明記。違反者には1〜3か月の懲役または、最低30〜50ペソの罰金、またはその両方が課せられると規定している。

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“毎年8月17日 「ドミニカ共和国の国歌の日」を制定する法律”によって8月17日は国歌の日として制定されている。

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国立歴史地理博物館には、Jose Reyesが作曲に使ったピアノが修復され展示されている。

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公式式典では1~4番のみ演奏される。全てを歌える人は少なく、テレビやナショナルデーで聞く機会がある程度。

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軍では、毎朝8時に国歌斉唱が行われる。

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歌詞の冒頭“Quisqueyanos”は、国籍が「ドミニカ人」と定めている憲法18条に違反しているとして2016年に裁判が行われた。原告は“Quisqueyanos”を“Dominicans”への変更を求めた。

歌詞

4スタンザ1セットで歌われる。

【1】
Quisqueyanos valientes, alcemos
Nuestro canto con viva emoción,
Y del mundo a la faz ostentemos
Nuestro invicto glorioso pendón.

【2】
¡Salve! el pueblo que, intrépido y fuerte,
A la guerra a morir se lanzó,
Cuando en bélico reto de muerte
Sus cadenas de esclavo rompió.
(間奏)

【3】
Ningún pueblo ser libre merece
Si es esclavo indolente y servil;
Si en su pecho la llama no crece
Que templó el heroísmo viril,

【4】
Mas Quisqueya la indómita y brava
Siempre altiva la frente alzará;
Que si fuere mil veces esclava
Otras tantas ser libre sabrá.

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【5】
Que si dolo y ardid la expusieron
De un intruso señor al desdén,
¡Las Carreras! ¡Beller!, campos fueron
Que cubiertos de gloria se ven.

【6】
Que en la cima de heroíco baluarte
De los libres el verbo encarnó,
Donde el genio de Sánchez y Duarte
A ser libre o morir enseñó.
(間奏)

【7】
Y si pudo inconsulto caudillo
De esas glorias el brillo empañar,
De la guerra se vio en Capotillo
La bandera de fuego ondear.

【8】
Y el incendio que atónito deja
De Castilla al soberbio león,
De las playas gloriosas le aleja
Donde flota el cruzado pendón.

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【9】
Compatriotas, mostremos erguida
Nuestra frente, orgullosos de hoy más;
Que Quisqueya será destruida
Pero sierva de nuevo, ¡jamás!

【10】
Que es santuario de amor cada pecho
Do la patria se siente vivir;
Y es su escudo invencible: el derecho;
Y es su lema: ser libre o morir.
(間奏)

【11】
¡Libertad! que aún se yergue serena
La Victoria en su carro triunfal,
Y el clarín de la guerra aún resuena
Pregonando su gloria inmortal.

【12】
¡Libertad! Que los ecos se agiten
Mientras llenos de noble ansiedad
Nuestros campos de gloria repiten
¡Libertad! ¡Libertad! ¡Libertad!

歌詞 日本語訳

【1】
勇敢なキスケージャの人たちよ
高らかに心を込めて 我らの歌を歌いあげよう
そして世界へ示そう
我々の無敵の栄えある旗を

【2】
万歳、勇猛果敢に
人々は決死の戦いに身を投じ
死を伴う戦争に挑んだ時
奴隷の鎖は解き放たれた

(間奏)

【3】
いかなる国民も自由に価しない
奴隷で怠惰で卑屈ならば
雄々しい英雄的行為によって
その胸に炎が育たなければ

【4】
しかしキスケーリャは荒々しく勇敢で
常に誇り高く顔を上げるだろう
何度も奴隷にされたなら
同じだけ自由になれると知るだろう

歌詞 カタカナ読み

【1】

キーースクェーヤノス ヴァリエンテス アルセーモス
ヌエストロカーン トーコン ビーバ エモシオン
イーデル ムンド アラファズ オステンテーモス
ヌエストロイン ビクトグロリオー ソーペンドン

【2】

サリュエル クエーブロー クエイントレ ピードイ フエールテ
アーラ グエーラア モリル セー ランゾー
クアンド エン ベーリコ レートデ ムエールテ
スースカンデー ナスデ エスクラーボ ロムピオ

(間奏)

【3】

ニングン プエーブロ セル リーブレ メレーセ
シィ エス エスクラーボ インドレンテイ セルビール
シィー エンス ペーチョラ ララーマーノ クレーセ
クエ テムプロエル ヘロイスモ ビリール

【4】

マァァス ケスケーヤラ インドーミタ イブラーバ
シエムプレ アルティーバ ラ フレンテ アルサラー
クエシィ フエーレミル ベーセス エスクラーバ
オートラス タンタス セル リーブレ サブラー

協力:駐日ドミニカ共和国大使館

国歌に関するリンク

【大統領府“ACERCA DE RD”】
http://www.presidencia.gob.do/acerca-de-rd/simbolos-patrios

【国防省“Himno Nacional: Símbolo Patrio inequívoco de la Identidad dominicana”】
https://mide.gob.do/himno-nacional-simbolo-patrio-inequivoco-de-la-identidad-dominicana%EF%BF%BC/

【政府ポータル“Símbolos Patrios Dominicanos”】
https://dominicana.gob.do/index.php/pais/2014-12-16-20-48-30

【上院議会“LEY QUE INSTITUYE  EL 17  DE AGOSTO DE CADA AÑO, “DIA DEL HIMNO NACIONAL DE LA REPÙBLICA DOMINICANA”】
http://www.senado.gov.do/masterlex/MLX/docs/1C/2/11/18/3407.htm

【上院議会“LEY  DE SÍMBOLOS PATRIOS”】
http://www.senado.gov.do/masterlex/MLX/docs/1C/2/12/20/207/2842.htm

【Comisión Permanente de Efemérides Patrias “Himno Nacional”】
https://cpep.gob.do/SPHimno

【SENAD “Simbolos patrios”】
https://www.senadord.gob.do/simbolos-patrios/

【文化省 “Ministerio de Cultura presenta restaurado el piano con que se musicalizó el Himno Nacional”】
https://cultura.gob.do/index.php/noticias/item/1624-ministerio-de-cultura-presenta-restaurado-el-piano-con-que-se-musicalizo-el-himno-nacional

【駐オランダ大使館 “Himno Nacional de la República Dominicana”】
https://www.consuladordholanda.com/republica-dominicana/himno-nacional-de-la-republica-dominicana/

【VANGUARDIA DEL PUEBLO “Nace José Reyes el autor de la música del Himno Nacional”】
https://vanguardiadelpueblo.do/1835/11/nace-jose-reyes-el-autor-de-la-musica-del-himno-nacional/

【大英博物館 “Emilio Prud’Homme”】
https://www.britishmuseum.org/collection/term/BIOG211764

【HOY “Hoy en la historia. Muere Emilio Prud’Homme”】
https://hoy.com.do/hoy-en-la-historia-muere-emilio-prudhomme/

【HOY “Hoy en la historia. Nace José Reyes, compositor de la música del Himno Nacional Dominicano”】
https://hoy.com.do/hoy-en-la-historia-nace-jose-reyes-compositor-de-la-musica-del-himno-nacional-dominicano/

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