初恋は日本人女性 日本大好きチュニジア人オーナーがの店 ~新宿区 大久保駅~
路地にある異国空間
大久保駅北口を出てすぐの路地へ。
ここに北アフリカの観光大国チュニジア料理を出す店があるらしいのですが・・・

車が通るのは無理かなぁ~

お店の明かりが道を照らします

道中国際化が進む大久保らしい看板が

こちらはベトナム料理店
歩いて1分も経たないうちにチュニジアんブルーの店を発見!

チュニジアの北部にはさわやかな青と白で統一された町があるんです

チュニジアの代表的な観光地『シディ・ブ・サイト』
看板を見ると”ハンニバル”の文字。
映画のレクター博士を連想する方もいらっしゃるかもしれませんが、
ローマ帝国と対等に争ったカルタゴという国の将軍ハンニバル将を指します

お店はここで間違いないようです
明るい店主とチュニジアビール”セルティア”
「いらっしゃいませぇーい!」
店に入ると元気な男性の声がお出迎え。
声の持ち主はモンディエールさん。

キメ顔での1枚
「お好きな席へど・う・ぞ―」
すごく陽気です(笑)
「外は寒いですねーー」
と気さくに話しかけてくれます。
好きな席へと言われ店の奥のテーブルへ。
「何か飲みますか?チュニジアのお酒もありますよ^^」
席に着くとドリンクメニューを持ってきて説明。
早口ですが嫌な気はしません。
まずはチュニジアビールのセルティアを注文。

赤と白というのはチュニジアの国旗カラーです
バドワイザーのようなさっぱりさと後味に甘みがあります。
美味しいです。
店主の愛情がこもったチュニジア料理店
それにしても店内がとってもおしゃれ。
でも気取っている感じがないのでくつろげます。店内で流れているのはチュニジアのラジオ番組。
チュニジアビールを飲みながらここにいると日本じゃない気分になれます。

雰囲気あります!

所々にチュニジアの小物があります
なんとこの内装は彼1人で作ったんだそうです!
「天井を塗る時はこれくらーい体曲げて塗ったよ!」
と体をのけ反らせて話すモンデールさん。
「一番暑い時期にやったから65キロから57キロまで痩せちゃってさー」
店員はモンデールさん1人。注文を取るのも、料理を出すのも全て彼が行います。
定休日もないそうでとんでもない働き者です。

この棚も手作り
料理は17歳から興味を持ち、フランス料理店で修業したんだとか。
日本でチュニジア料理店を始めて17年目で紆余曲折あり現在の店に落ち着き3年目。
「僕ができることは料理だけですからね」
と職人気質のモンデールさん。
チュニジア料理のコース料理とチュニジアワインと
そんな彼が作る料理に期待が高まります。
渡されたメニューにはアラカルトもあるけど、コースもあるようです。
「この3500円コースならチュニジアの料理を堪能できますよ」
迷わずオススメされた「クスクスメインコース」を注文。
すぐにテーブルに運ばれてきたのは自家製パンと唐辛子ベースのペーストにオリーブオイルをかけたハリッサ。

各家で作られ、レシピも家庭ごとにある
ハリッサは日本の醤油のようなものでチュニジアには欠かせないものなんです。
「これは自家製パン!ハリッサは辛いからつけすぎないでね!
足りなくなったら言ってください!」
たっぷりパンにハリッサをつけて頂きます。
おいしーーーーー!
後に残らない爽やかな辛さ。
そしてパンなんですがチュニジアを旅していた時食べたものはフランスパンで硬いイメージがあったのですが、
ここのはしっとりと柔らかくて美味しいです^^
酒もすすみます。まだコースの1品目なのにおかわり。
「チュニジアはワインが有名ですよ!」
ちょっと悩みました。実は現地でワインを飲んだ時あまりうまくなかったんです。
でもせっかくなので・・・
ドメーヌカルタージュ

グラス600円
ライトで飲みやすい。現地で飲んだイメージとだいぶ違い美味しいです。
この後もう一杯いただきました。
「これはサービス!」
と言って持ってきてくれたのは
イワシのペースとと焼き野菜が乗ったパン。
これがまた・・・
うまいんです!!
イワシの生臭さはないし、両方とも程良い塩加減が絶妙です。

モンデールさんのこだわりが1品1品に込められています

スープは日替わり。この日はレンズ豆
モンデールさんは聞かれたことを何でも日本語で答えてくれるので退屈しません。
「良い物を食べてもらいたいんです。だから妥協しません」
それは料理のおいしさから伝わってきます。
「パンもどこかで買ってもいいんですけどね、でもお客さんが喜んでくれますからね。
本物を食べさせたいですよ。
チュニジアに行ったことある人からは「懐かしい」と言ってもらえるとうれしいね^^」
生もの以外のほとんどの食材はチュニジアから仕入れた物を使っています。
「オリーブオイルとか日本ではあまり知られていない魅力的なものが多くさんあるよ」
そんなモンデールさん、僕が「美味しい」と言うと「ありがとうございまーす!」
と毎回言います^^;
次々出てくるこだわりのチュニジア料理
さて4品目は
ブリック
チュニジア餃子とも日本では言われますが、私たちが知る餃子に比べるとかなり大きいです。チュニジア料理の定番です。

中身がぎっしり!
本場の食べ方と言われ教えられたのが・・・
「手で食べるといいですよ。真ん中ぐらいに半熟卵があるから、
そこまでいったら”チュル”と吸ってください。どうぞーー!!」
外はパリッ、中はジューシー。
注意したいのは出来立てなのでめちゃくちゃアツイ!
でもウマい!
手で食べないと中の半熟卵が流れ出ちゃうけど、これなら何の心配も要りません。
クセになる味です。
ラジオで音楽が流れると踊りだすモンデールさん。
とっても陽気で一緒にいると元気が出ます^^
忙しい中、積極的に話しかけてくるのって出来そうで出来ないことだと思います。
「おまたせしましたーー!!」
今日のメインのクスクスです。
クスクスは世界最小のパスタでチュニジアの主食と言っても過言ではありません。
日本ではあまりない食感をもつクスクス。
パサパサしているんだけど、これが嫌なパサパサではありません。
腹もちもよく単品で頼んでも良いですね。

野菜など具だくさん
さて食後のデザート。
飲み物はコーヒーかミントティーのどちらかを選べます。
「アロマコーヒー飲んだことある?チュニジアでは結構メジャーだよ」
え?チュニジアに行った時そんなものなかったし、みんなチャイ飲んでたよ。
「そお?メニューに出てないことも多いからね。でも頼めば出てくるよ」
そこまで言われたら飲みたくなります。
そもそもアロマコーヒーって何だ?
「お待たせしましたーーー!!」
これがアロマコーヒー。チュニジア名物マクロードと一緒に。

デザートは日替わり
マクロードはナツメヤシのペーストを巻き込んだパイ菓子。食感がクセになる隠れた名品。
そしてアロマコーヒー。
砂糖は入れるんですか?
「現地の人は入れるけど、バラの も結構甘いからねぇ~」
普段ブラックしか飲まない筆者は砂糖を入れないことに。
バラのオイルは砂糖ほど甘みがなくブラック好きの筆者でも美味しいと思える。
もっとフレーバーティのような物を想像していたが、バラの香りはそこまで強いわけではない。
フレーバーティが苦手な筆者としてはちょうどいいです^^
恋人にするならアラブ人!?
それにしても本当に日本語が堪能なモンデールさん。
「日本が大好きなんですよねー。だって初恋の人が日本人ですから」
え?本当に?リップサービスでしょ?
「これは本当だよ!フランスで会った女性なんですけどね、
彼女は本当に素敵な女性でした。付き合ったのは”日本人だから”じゃなくて
たまたま好きになった女性が日本人だったんですよね。愛に人種は関係ないんです」
かっこいい・・・そこからモンデールさんが恋愛論について語ります。
「今、熟年離婚とか多いでしょ?あれはロマンスがないからですよ。
”一緒にいれば良い”じゃなくてロマンスがなきゃ駄目ですよ」
たしかに・・・チュニジアの人はみんなそんな感じなんですか?
「そうだよ!アラブ人男性はいいよ。愛を大事にするからね」
ここでは書けない話をしたりと閉店まで話し込みました^^
いやぁ~くつろいでしまいました。
お客さんの8割がリピーターというのがお店に魅力がある証拠!!
あまり知られていない国ですが、本当に素敵な文化を持った国です。
そしてとても素晴らしい人たちです。
なかなか行くのは大変でも疑似体験ならできます。
チュニジアの空気を感じたいならハンニバルへ!
【お店情報】
店名 ハンニバル
住所 東京都 新宿区百人町1―19―2
TEL 03―6304-0930
定休日 無休
営業時間 17:00~24:00