紛争だけじゃない!魅力満載 民族・文化のるつぼ ボスニア・ヘルツェゴビナ大使館を訪問 ~東京 港区~

日本で国歌の情報を集める際、

書籍で調べられることもありますが大半はインターネットからになります。

しかしその情報が正しいのか分からないのが実情。

そこで直接各国の大使館に伺い正確な情報を集めています。

実際、インターネットや書籍に書かれていることと違う話や新たな情報が出てくることもありとても面白い・・・

そして間違った情報が氾濫していることは悲しいことです^^;

さて、今回伺った大使館は

ボスニア・ヘルツェゴビナ

 

大使館のメッカにあるボスニア・ヘルツェゴビナ大使館

大使館があるのは港区。

港区は日本でもっとも大使館が集まる地域で80カ国の施設があります。

最寄りは東京メトロ日比谷線広尾駅。

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駅の入り口は古めです

 

港区南麻布、大通りから少しはずると閑静な住宅街でオシャレな雰囲気が漂います。

歩いていると多くの外国人とすれ違う・・・

さすが大使館のメッカ!

ちょっと歩くだけで大使館を見ることが出来るので散歩コースとしていいかもしれません^^

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周りはオシャレな建物が並びます

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スイス大使館兼公邸

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右がスイス大使館、その向かいがノルウェー王国大使館

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異国の雰囲気漂うオマーン・スルダン国大使館

 

この日伺ったボスニア・ヘルツェゴビナ大使館(以下国名をBHGで統一)は

駅から徒歩5分ほどのところにあります。

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国旗が目印

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2,3階が大使館

 

2階は大使の部屋で今回伺ったのは3階。

扉を開けるとワンフロアぶち抜きの部屋が広がっていました。

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明るい雰囲気です

 

素敵な女性参事官 ジェレナさん

「ようこそ!」

迎えてくれたのはジェレナ参事官。

物腰が柔らかく話し方から優しい雰囲気が漂います。

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こんな落ち着いた大人になりたい!

 

ジェレナさんはヨーロッパや南アフリカなどの大使館を周り日本に着任し1年とちょっと。

「この紅茶は美味しいのよ。私が好きなお茶なの」

と言って南アフリカの紅茶を出してくれました。

好きな紅茶があるなんて女子力が高い!

 

こんな活動をしているにもかかわらず英語が苦手な筆者。

参事官との会話は英語ですが、

筆者の英語レベルが分かると気を使ってとてもゆっくり話してくれます。

分からない単語があると別の言い方に変えてくれたりと本当に丁寧にお話いただきました。

 

歌詞が無い国歌 ”インテルメッツォ(間奏曲)”

「ボスニア・ヘルツェゴビナという長い名前のわりに小さな国です。

国土はおよそ51平方キロメートルでそこに400万人ほどの人たちが住んでいます」

千葉県や愛知県より少し小さいくらいでしょうか。

 

BHG国歌は別名”インテルメッツォ(間奏曲)”と呼ばれています。

それは歌詞がないためですが、なぜ歌詞が無いのでしょうか?

「BHGはミックスカントリーです。民族や宗教が複雑に混ざっていて、

全てが合意し議会を通すのはとても難しいことなんです」

ボスニア・ヘルツェゴビナ国歌の詳細はコチラ

 

1999年6月25日、憲法で国歌のメロディが制定されるも、

歌詞は様々な方面から異論が出て制定することができませんでした。

国内には大きく分けて3つの民族が存在します。

プロテスタントのセルビア人、カトリックのクロアチア人、イスラム教のボスニア人。

前身のユーゴスラビア連邦解体時、

BHGの周りの国は大多数が占める民族が国を統治し独立していきました。

クロアチア人はクロアチアを、セルビア人はセルビアと言った具合に。

しかしBHGはその真ん中に位置し様々な民族が共存する地域・・・のはずでした。

独立が現実味を増すと国の主導権や地域の独立を求め民族間での対立が深まり、

WWⅡ以来最悪のヨーロッパでの戦争と言われるボスニア紛争が始まってしまいます。

 

複雑すぎる国内体制

「国内に2つの独立体があります。

ひとつはクロアチア人とボスニア人が主体のボスニア・ヘルツェゴビナ連邦、

もう1つはセルビア人が主体のスルプスカ共和国。

この2つはそれぞれ政府を持っていますが、両地域間に国境はなく自由に行き来できます」

高度な自治権を持つ地域を国内に持ち各民族の主張を通しやすくすることで、

国の安定を図っている。

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国土を複雑に走る独立体の領土を示す紫の線。民族が入り混じって暮らしている

 

何度か試みられた歌詞の制定

過去何度か歌詞をつけられなかったBHG。

しかし2009年サッカーワールドカップにおいて、

BHG史上初めてファイナルラウンドに進んだ事をきっかけで再び歌詞をつけようという運動が活発化。

日本代表監督を務めたイビチャ・オシムもスタジアムで母国の国歌を歌いたいと積極的に関わったが、

この時も制定には至る事ができず。

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オシムさんのサインがありました

 

歌詞が付かないのは、どこに問題があるからなのでしょうか?

「どこが問題なのか分かりません。もしかしたらボスニアが書かれているのに、

セルビア、クロアチアがないのが問題なのかもしれませんが・・・・問題は政治なんです」

SDAというボスニア人政党、SBBはクロアチア人の政党など民族で作るグループもあれば、民族がミックスしているものもある。

宗教で固まったり、スルプツカを独立させようというグループや

クロアチアの一部になりたいと主張するところがあったりと本当にバラバラ。

 

なんだか様々な民族がいて大変そう・・・私生活でもケンカが絶えないですよね?

ちなみに大使館はどうなんでしょう。同じ民族で一国を担当しているとか?

「いえ、全ての大使館職員はミックスです。

例えば、私はセルビア人、大使はボスニア人。大使はイスラム教で、私はオーソドックス。

でも私たちは完璧に仕事をしているし、不和はありません。

みんな国を紹介すると言う同じ目的を持って仕事をしているんです」

 

国内の政府機関のほとんどが同じような政策をとっている。

BHG国内でもケンカが起こることは無いそうです。

ジェレナさんは国内の”政治屋”が問題とおっしゃっていました。

政治問題が歌詞の無い国歌を生み出しているのか・・・

政治が民意から離れるのはどこの国も同じようです。

 

紛争だけじゃない!BHGの魅力

さっきの民族問題もそうですがBHGというと紛争のイメージがあります。

「私たちは日本でポジティブな部分をプロモートする試みをしています。

戦争や民族対立ではなくBHGのホスピタリティや美しい自然、料理など、

私たちはポジティブなことしか言いません。

なぜならBHGにはポジティブな物がたくさんあるからです!」

 

BHGがこれほど民族が複雑なのはヨーロッパとアジアを結び、

様々な人々が行き来してきた地域だったことが大きい。

そんな要所だっただけに様々な大国に狙われ支配されてきた。

ローマ帝国、オスマン帝国、オーストリアハンガリー帝国・・・

支配される度に、その国の文化から影響を受ける環境にあった。

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BHG産コーヒーと伝統的なコーヒーセット。オスマン帝国の影響が生きています

 

文化混ざるところに美味しい料理あり!BHGも例外ではありません。

”チェバブチチ”

ひき肉に香辛料を混ぜてそれを焼いたもので、

皮無しのソーセージとも言われてるみたいです。

 

「とってもきれいな形でしょ?」

とパソコンで画像を探して見せてくれたのはボスニアンパイこと

”ブレック”

細い形状のパイ生地に具を包んで、渦巻状にして焼いたもの。

家庭料理なので中身は決まっていませんが、

ひき肉やジャガイモなどが入っているようです。

ジェレナさんは日本ではまだ見たことがないと言っていました。それもそのはず。

現在、日本にはBHG料理店がないんだそうです。

残念 ;へ;

他にも蜂蜜やワインなど特産品には日本人が大好きなものがいっぱい。

 

魅力は料理だけじゃない!ボスニア・ヘルツェゴビナの世界遺産

モスタルという街をご存知でしょうか?

世界遺産に登録された街で正式には

”モスタル旧市街”

といいます。

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その中でも象徴的なのがこの橋

 

 

「これは希望の橋です」

橋の名は”スターリ橋”

この地区ではイスラム教徒とクロアチア人が橋を挟んで別れて暮らしうまく共存していました。

しかし内戦時、隣人だった他民族同士が殺し合いを始めてしまい、自分のコミュニティを守るためこの橋を落としてしまいます。

多くの人が命を落とし今でもお互いの不信感はぬぐいきれていません。

現在は、橋を含めて街は修復され互いの民族が共存の道を少しずつ探っている状態です。

 

「よく見て、ここに人がいるでしょ?彼はここから飛び降りようとしているのよ!

毎年この橋で飛び込み大会があるの」

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上半身裸の人が・・・

 

400年以上の歴史がある大会で、およそ21メートルの高さから飛び降ります。

7月の開催ですが川はとても冷たいんだそうです。

今も内戦の禍根があるそうですが、

争う前からある大会を復活させ互いが共存していた頃を再確認するという意味でもとても大切な大会だと思います。

街並みは16世紀の雰囲気を残すところが多く、観光客に人気のスポットになっている。

 

実は日本との交流が盛んなBHG

自然も自慢の一つ。

首都のサラエボは山に囲まれていてます。

そのため夏はトレッキングも気軽に楽しめ、

夜には山から見える街の美しい夜景が楽しめるんだそうです。冬はスキーが楽しめます。

 

「春は桜がきれいなんですよ!」

 

え!? 桜ですか??

「サラエボなどに多くの桜の木があります。

1人の日本人が1998年から毎年来て植樹してくれているんです」

そんな活動をしている日本人がいるとは知りませんでした。

また首都には広島から被爆樹木のイチョウの種から育った苗木を送られ植樹したものがあるんだとか。

 

「BHGの人々は親日的です。建設やバスの寄付など、

内戦後多くの援助をしてくれた日本政府と日本人に本当に感謝しています」

 

日本にゆかりのある有名人も多く、オシム監督やハリルホジッチ監督もBHG出身です。

実は様々なフィールドで日本とBHGの人々は交流しているんですね!

BHGについて紛争以外何も知らないことを痛感した筆者。お恥ずかしい・・・

 

見えてきた希望の光

「とても美しくて素晴らしい国ですが複雑な問題を持つ国なんです」

国内で抱える民族問題の複雑さは国歌の教育システムからもうかがい知る事ができる。

同国では国歌を学校で学ぶことはなく、

学校によっては独立体がもつ地域の歌を教える学校もあるそうです。

さらに、セルビアの国歌の方が好き、クロアチア国歌が好きという人もいるんだとか・・・

多くの国民は国歌を歌うことができないのが現状。

ジェレナさんが学校で学んだ国歌はユーゴスラビアのもので、今のメロディだけの国歌に愛着は薄い。

「全ての人は最終的に歌詞をつけたいと思っています!」

その想いは国歌を愛する気持ちからくるものなのか、サッカー好きの国民性からなのか・・・

その両方かもしれませんね^^

 

そんなことを考えているとジェレナさんが

「そうですねぇ~」

と言った後

 

「私が日本にいる間に歌詞が付くことがあれば、一緒に国歌を歌いましょう!

今は”ふーんふーんふーん”ですけどね」

 

なんて素敵な提案なんでしょうか!是非、彼女が日本にいる間に実現したい。

 

歌詞が無い国歌、別名”間奏曲”。

間奏曲は楽章と楽章の合間に流れる曲のことだ。

民族対立によって起こった内戦から民族融和という次章へのステップを歩みだしたBHG。

次章がある”間奏曲”という別名はとても未来のある名前なのかもしれない。

 

訪問前、紛争のイメージしかなく日本とは縁の少ない国というイメージだったが

訪問を終えてみると大きな間違いであることが分かった。

民族問題が起こるということは、それだけ国内に民族や宗教が入り混じっていることを意味する。

そういった国は他では見ることが出来ない独特な文化を生み出すことが多い。

ボスニア・ヘルツェゴビナのその一つだ。是非皆さんにも訪れてほしい。

BHG大使館は積極的に日本での宣伝活動をしていて、地域のイベントにも参加していることが多いので、

まずはそういった所でBHGの魅力を感じてみてはいかがでしょうか?

大使館の方がいれば、彼らのホスピタリティも感じることができると思いますよ^^

 

ジェレナさん お忙しい中ありがとうございました!

 

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とても素敵な方でした!

 

 

ボスニア・ヘルツェゴビナ国歌の詳細はコチラ

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【2019年1月25日(金)開催】 大使館で国際交流 第15回ワールドフードラリー inアフガニスタン大使館

2019年はアフガニスタンにとって建国から100年と節目の年です。
これを機会に最近報じられにくくなったアフガニスタンとはどういう国なのか改めてご紹介します。

同国大使館は昼間に一般開放しているのですが、夜に開放することは稀。この貴重な機会を皆さんと共有できたらと思います。
素敵大使館の一つアフガニスタン大使館でお国紹介を聞いて、
大使館専属シェフが手がけたアフガニスタン料理を食べて、
外交官と交流して、
アフガニスタンの魅力を体験しませんか?
日本の皆さんにアフガニスタンに今一度関心を持っていただけたら嬉しいです^^

【内容】
①大使館職員によるお国紹介
②大使館シェフによるアフガニスタン料理を食べながら外交官・参加者との交流
③アフガニスタン国歌斉唱(練習をみんなでします!)