パリ同時テロについて思うこと
公式発表で死者127名。CNNの報道では150名の犠牲者が出ていると報じていて犠牲者が増える可能性があります。フランス全土で非常事態宣言が出されたのは1954~1962年まで続いたアルジェリア戦争以来。9.11以来、先進国で起こったテロ事件では最悪の事態です。
中道派と言われるフランスで最大の日刊紙、ル・パリジャンは、
14日付朝刊の見出しで『今度は戦争だ』
フランス最古の日刊紙フィガロ『パリの中で戦争』
オランド大統領は以下のように表明。
「自らを守り、総力を結集し、再びテロリストに打ち勝つ国家としての力を示そう」
「我々は自分たちを守るすべを持っている。(テロに対し)容赦ない戦いを行う」
とても卑劣な事件で、国内だけでなく世界中から犯行に対する非難の言葉が発信されています。でもここであえて言わせてください。こんな時こそ冷静になるべきです。
「当事者じゃないから言えるんだ」「家族が巻き込まれていたら同じことが言えるのか?」
そんな意見があって当然です。もし日本で同じ事件が起きたら犯人を憎みます。もし家族が巻き込まれていたら復讐を望みます。でも当事者じゃないから言えることもあるんじゃないでしょうか?犯人たちの狙いはフランス国内の混乱です。フランスには多くのアラブ系の移民が住み、多くのムスリムがいます。彼らに対する不安を国内に広げ、孤立させて仲間にするのが彼らの狙いの一つです。現に、ISILは事件後の犯行声明でフランス国内に住むムスリムに蜂起するよう呼びかけています。残念なことに「テロリスト候補者の拘置所を作るべきだ」という議員まで出てきているようです。Laurent Wauquiez氏はサルコジ前大統領が総裁を務める国民運動連合という保守政党に所属していて大臣経験もある国会議員。彼曰く、これまで起こったテロの実行犯は全て監視対象者だった。だから対象者全てを収容する拘留所を作るべきだと・・・
確かにテロ実行犯、協力者は犯行直前に逮捕しテロを阻止するべきです。でもこれって何もしていない人の自由を奪う可能性がある政策ですよね。これが極端になると太平洋戦争中のアメリカで行われた日系人の強制収容と同じではありませんか?
1月にフランスでテロが起こった際、犠牲者に黙祷をささげる議会で国歌斉唱が自然発生しました。議会での国歌斉唱は第一次世界大戦以来とのこと。フランス人は自国に強いプライドを持っています。それは国旗に対しても同じです。フランス人の友人はFacebookページのプロフィール画像をフランス国旗にしたり、涙を流した瞳の奥に国旗が見えるものに変えています。フランス人ユーザーで広がっているようです。著作権の問題でここでは表示しませんが、リンクを貼りました。
”涙を流した瞳の奥に国旗が見えるプロフィール画像”↑現在は消されてしまっているようです(2018.12現在)
またタイムラインは次々と事件発生を憂う人たちの投稿のシェアで埋まっています。その中でフランス国旗のトリコロール配色にライトアップされた様々な施設を撮影した記事がありました。これも今回の事件の犠牲者に向けてアップされたものです。
記事はコチラ
フランス国民が誇りに持つ国旗を構成する3色には意味があります。
青→自由 白→平等 赤→博愛
多くの人種を受け入れ大国に成長したフランスの原点です。この国旗が愛される限りフランスは一つであり続けます。
自由を愛するフランスの皆さん。
他人の自由を奪わないでください。
平等を愛するフランスの皆さん。
排他的になってテロリストたちを喜ばせないでください。
博愛を愛するフランスの皆さん。
互いを尊重し合うことを忘れないでください。
国歌や国旗を愛すフランスの皆さん。
どうかフランスの素晴らしい精神を忘れないでください。
負けるなフランス!!