インド国歌「汝は全ての心の支配者」
インド 国歌「汝は全ての心の支配者」
タイトル
जन गण मन(ジャナ・ガナ・マナ)/ 汝は全ての心の支配者
上記はヒンディー語。単語を直訳すると
Jana = People
Gana = Group
Mana = Mind
となるが、タゴールの英訳では“Thou art the ruler of the minds of all people”となっており、当サイトではこれに準拠し日本語タイトルを紹介する。
『インドの朝の歌』と紹介するものがあるが、これはタゴールが1919年に発表した英訳版のタイトルで国歌のタイトルとして紹介するのは不適切。
作詞
রবীন্দ্রনাথ ঠাকুর /ラビンドラナート・タゴール
1861年5月7日、インド・コルカタの大商人の家に生まれる。自宅で教育を受けた後、弁護士になることを期待され17歳でイギリスに留学。ここで戯曲や音楽などに触れ大きな影響を受ける。学位を取らず1880年にインドに帰国すると、詩や音楽の制作を行った。インドの民族主義運動に参加し、ガンジーとも交流があった。1913年にベンガル語の詩集“ギタンジャリ”で、ノーベル文学賞を受賞。アジア人初のノーベル賞受賞者となる。1915年にイギリスからナイトの称号を授与するものの、イギリス政府のインドに対する政策への抗議を示し称号を返上している。日本にも数度、訪日し横山大観などの知識人と交流した。1941年8月7日コルカタにて逝去。
結婚は22歳の時で、相手のMrinalini Deviはわずか10歳だった。
バングラデッシュ国歌の作詞も手掛けている。
作曲
同上
採用年
1950年1月24日
憲法制定議会がヒンディー語版で国歌として採用。
成り立ち
歌詞は元々ベンガル語でRabindranath Tagoreが作詞。原本が見つかっておらず、どのような経緯で作詞作曲を行ったのかは分かっていない。初演は1911年12月27日にコルカタで行われた2大政党の一つ“インド国民会議”の年次総会2日目の開会時にタゴールの姪などがベンガル語とヒンディー語で歌ったとされる。
1919年、タゴールはベサント神智学院を訪問した際に自らが歌った。これを聞いた同校の副学長Margaret Cousinsはタゴールに懇願し英訳と楽譜の制作を依頼。『インドの朝の歌』というタイトルで英訳を行った。以降、この曲は学院の朝の祈りの時間に歌われる。タゴール直筆の英訳歌詞が今でも学院が所有。
ヒンディー語版が憲法制定議会によって1950年1月24日にインドの国歌として採用された。
EXCELSIOR
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憲法では下記のように国歌について言及。
第1章
51Aa 憲法を遵守し、その理想と制度、国旗及び国歌を尊重することは、すべてのインド国民の義務である。
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法律では以下の通り。
No69 国威行為への侮辱防止法(1971年)
3.国歌斉唱の妨害
インド国歌の歌唱を故意に妨げ、又はその歌唱に従事する集会を妨害した者は、三年以上の有期懲役または罰金またはその両方に処する。
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歌詞で歌われている地域(シンド州は現在パキスタン領)が現在のインド領土と適していないと変更の議論がある。法案は2018年に提出され審議された。
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通常は52秒。特定の機会において使われるショートバージョンは20秒。ショートバーションの歌詞は以下の通り。
Jana-gana-mana-adhinayaka jaya he
Bharata-bhagya-vidhata.
Jaya he, Jaya he, Jaya he,
jaya jaya jaya, jaya he.
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ショートバージョンは会食の乾杯の際に演奏される
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首相のために演奏されることはない。
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内務省資料によると、バンドでの生演奏の場合、参加者が歌いやすいようドラムロールが推奨されている。
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“ニュース映画やドキュメンタリーの中で国歌が演奏される場合には、立っていると映画の上映が中断されることになるので聴衆は立ってはならない。国歌の尊厳を増すどころか、混乱と混乱を招くことになる。”と内務省資料。
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原曲の『インドの朝』は、ジョージ5世がインドを訪問した際に作曲されたため、この曲がイギリスの君主への敬意を示しために作られたという議論があったが、これに関しては、発見されたタゴールが1937年11月10日に友人へ宛てた手紙の中で王に対して批判的な文面があったことから否定されている。
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“汝”とは特定の神や人物ではなく、“全てを超越したもの”として書かれたとされている。多民族多宗教国家ならでは。
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いくつかの地方都市では毎朝街中に国歌が流され歌われる。
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1987年、ケララ州の学校の一部の生徒が国歌を歌うことを拒否したことで学校から退学を命じされた。生徒たちは裁判を起こし、最高裁判所は、生徒たちは国歌を尊重していたとし、国歌を歌わないことが侮辱を意味していないと判決を下した。
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国歌と同等の地位で『Vande Mataram』という賛歌がある。
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ベンガル語バージョン
歌詞
Jana-gana-mana-adhinayaka, jaya he
Bharata-bhagya-vidhata.
Punjaba-Sindhu-Gujarata-Maratha
Dravida-Utkala-Banga
Vindhya-Himachala-Yamuna-Ganga
Uchchala-Jaladhi-taranga.
Tava shubha name jage,
Tava shubha asisa mage,
Gahe tava jaya gatha,
Jana-gana-mangala-dayaka jaya he
Bharata-bhagya-vidhata.
Jaya he, jaya he, jaya he,
Jaya jaya jaya, jaya he!
歌詞 日本語訳
汝は全ての人心の支配者
インドの運命を司る者
汝の名はパンジャブ、シンド、
グジャラート、マラーター、
トラヴィダ、オリッサ、ベンガルの心を奮い立たせる。
ヴィンディヤ山脈とヒマラヤ山脈に響き、
ジャムナとガンジスの流れの調べに混じり、
インド海の波によって歌われる。
民は汝の祝福を祈り 汝を賛美し歌う。
全ての人々の救いは汝の手の中に待っている、
インドの運命を司る汝の手の中に。
勝利、勝利、勝利、汝に勝利を。
歌詞 カタカナ読み(製作中)
国歌に関するリンク
【インド政府 ポータル “国のシンボル”】
https://www.india.gov.in/india-glance/national-symbols#:~:text=The%20National%20Anthem%20of%20India,of%20the%20Indian%20National%20Congress.
【インド政府 ポータル “国歌”】
https://knowindia.gov.in/national-identity-elements/national-anthem.php
【駐フィンランド大使館“国歌”】
https://www.indembhelsinki.gov.in/national-anthem.php
【THE WHITE HOUSE PRESIDENT GERGE W. BUSH“India National Anthem”】
https://georgewbush-whitehouse.archives.gov/national-anthem/newdelhi-full.html
【内務省“国歌について”】
https://www.mha.gov.in/sites/default/files/NationalAnthem%28E%29_2.pdf
【内務省“’国旗、エンブレム、国歌”】
https://www.mha.gov.in/documents/national-flag-emblem-anthem
【アッサム州政府“国歌規範”】
https://gad.assam.gov.in/information-services/national-anthem-norms
【在スイス日本国大使館 “白石大使の活動報告コメント:「アジア人初のノーベル賞受賞者で多才な文豪タゴールを思う」”】
https://www.ch.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00804.html
【THE NATIONAL ANTHEM (MODIFICATION) BILL, 2018】
http://164.100.47.4/BillsTexts/RSBillTexts/Asintroduced/Anthem-E-21619.pdf
【BBC“’जन गण मन‘ के लिए जब टैगोर ने दी थी सफ़ाई”】
https://www.bbc.com/hindi/india-44026900
【Nobel Prize “Rabindranath Tagore”】
https://www.nobelprize.org/prizes/literature/1913/tagore/biographical/