国歌DE振り返る ―2017年5月~8月―
2017年始まったなーと思っていたら一年の半分が終了・・・
なんてこった!!
国歌関連の出来事も沢山ありました。5~8月を振り返ります。
5月 バイオリンで国歌を弾き抗議の意を示した男性
ベネズエラでは現存議会を廃止し大統領と考えの近い新たな議会を作ろうという動きがあり、それに抗議した人々がデモが国内で発生。
動画にはデモ隊に加わりベネズエラ国歌をヴァイオリンで演奏する23歳の若者が話題になりました。催涙弾が飛んでこようとも弓を止めません。本来はリズミカルで力強く国歌ファンの間でも人気の高い国歌ですが、この動画から聞こえてくる音色はとても悲しげです。
50秒程度の動画ですが祖国の現状を悲しむ彼の気持ちが響き渡ります。
しかしこの後、彼にクラリネット奏者が加わります。前回と違い警官に対して大声で主張しながら途中で演奏を止めたりしている動画を配信。
うーーーーん。美談を求めているわけじゃないけど、ちょっと違うんだよなぁ^^;
8月 ロシア選手、金メダルを勝ち取ったものの祖国の国歌流れず
今年ロンドンで行われた世界陸上ではロシア選手団は国の代表としてではなく“中立選手”としての参加が認められました。度重なる国ぐるみでのドーピング疑惑が原因です。
そんな中、女子走り高跳びで個人資格で出場したロシアのマリア・ラシツケネが2連覇。
表彰式では個人参加のため国旗や国歌の使用が認められず、国歌斉唱の部分では国際陸連の賛歌が流れました。
通常であれば国の代表として参加し、表彰台で自国の国旗が上がる中、国歌を歌うことはアスリートにとって一つの目標のはず。彼女の無念は計りしれません。
8月 アスリートによるアメリカ国歌斉唱拒否
ナショナル・フットボール・リーグのシアトル・シーホークスに所属するマイケル・ベネットが、人種差別への抗議を理由に、試合前の国歌演奏で起立しないことを表明しました。
以前、コリン・キャパニック選手も同様のことを行っていてこれに倣っての行動です。
前日には、オークランド・レイダースの選手も、国歌斉唱時膝をついたまま動きませんでした。
これらの引き金になったのはバージニア州で白人至上主義者などの集会を開いたことによって発生した暴動です。その後のトランプ大統領の白人主義者を擁護するような発言も拍車をかけました。
ベネットの声明で、国を否定する理由で行っている行為ではないと言っています。
「自分はただ、人々には平等の権利があることを望んでいるだけだ。そしてこうした行動によって、そのメッセージを訴え続けていけるようにしたい」
また、クリーブランド・ブラウンズの選手10人以上が円陣を組んで膝を地面につけています。
今年になって急増しているアメリカ国歌斉唱拒否問題。これが出来るうちは健全ですが、抗議行動が出来なくなる社会になればこれは大問題です。人種間の亀裂が無くなり国歌をわだかまりなく歌えるアメリカ社会になることを切に願います。
8月 モーリタニア国歌変更!!
今年最大の国歌ニュースかもしれません。
変更といってもメロディは変わらず歌詞の一部変更が行われるようです。
同国は少数派の黒人への差別があり、歌詞の変更でその部分が先鋭化しないか心配しています。
また、今回の変更は憲法改正に伴うもので上院廃止など政治的な問題を抱えた出来事で、モーリタニアの別の側面を見ることができます。
詳細はこちらをご覧ください。
今後も国歌に目が離せませんよ!
もちろん耳も!