シンガポール共和国 国歌「進めシンガポール」

シンガポール共和国 国歌「進めシンガポール」

タイトル

Majulah Singapura 確認中)/進めシンガポール

作詞

Encik Zubir Said / 確認中

1907年7月22日スマトラ島生まれ。幼い頃からフルートやギターなどを独学で音楽を学んだ。1928年、親の反対を押し切ってシンガポールへと旅立ちオペラグループで演奏家としてキャリアをスタートする。のちに文化省から委託を受け国のプロパガンダ動画を制作していたCathay-Kerisという映画会社に就職し音楽監督を務めた。国歌初演日の1959年12月3日には約 30 年間疎遠になっていたインドネシアからこの行事を見届けるためにやって来た 101 歳の父親と和解した。
1987年11月16日逝去。

作曲

同上

採用年

1959年11月30日

1965年8月9日に完全独立を果たし、自治政府時代の国歌をそのまま国歌として採用した。

成り立ち

1958年、大規模改築されたビクトリア劇場のオープニングイベントに流す市政賛歌の制作を当時のシンガポール市長Ong Eng Guanが仲介者を介してEncik Zubir Saidに依頼。そこで制作されたのが後の国歌となる『進めシンガポール』だった。ビクトリア劇場のホワイエ近くにあった“Majulah Singapura”という言葉にインスピレーションを受け制作したという。1958年9月6日に市政賛歌としての初演はシンガポール室内楽団によって演奏された。
1959年6月3日にシンガポールが完全な自治権を獲得すると、初代副首相トウ・チン・チエが、それまで使われていた神よ女王を護り賜えに代わるシンガポール国歌制定を主導。副首相はOng Eng Guanに市政賛歌を紹介されたとインタビューで明かしている。しかし、最初に歌詞を見た時は長すぎると感じ “簡潔に要点を押さえて、人々が覚えやすく、歌いやすい” ものにするようSaidに修正を依頼。そこで、最終的には詩を8小節を削除し、難しい言葉は簡単な言葉に置き換え政府に提出される。
1959年11月30日、議会が承認した「シンガポールの国章と旗および国歌法」が施行され正式に賛歌が誕生。同年12月3日、国歌忠誠週間の初日にシンガポール自治州の賛歌として旗、紋章とともに公にされた。
1965年の完全独立を持ってシンガポール共和国国歌となる。2001年、歌いやすくするための編曲がされた。

EXCELSIOR

憲法での言及はない。

♪♪

1959年11月30日に施行された「シンガポールの国章と旗および国歌法」には以下の通り記載され、手書きの歌詞入り楽譜が付随されている。

シンガポールの国歌
国歌は“進めシンガポール”とし、歌詞と楽譜を定める。
↑現在有効なのは2022年に制定された「国歌シンボル法」で、タイトルや楽譜、歌詞が記載されている。

また、「シンガポールの国章と旗および国歌規則」ではアレンジについてや言語の規制などについて書かれており、違反者への罰則も記載されている。
↑こちらも上記の「国歌シンボル法」に統一された。

♪♪♪

制作者のEncik Zubir Saidは、作曲に対して報酬を得ていない。1963年に政府から名誉勲章、1987年にはASEAN文化・コミュニケーション賞を受賞している。

♪♪♪♪

国家遺産局のHPでは国歌の取り扱いについて以下のように紹介している。

~使用方法~
1.公的および私的組織は、適切な機会に国歌を歌ったり演奏したりすることができます。シンガポール人は、国の祝賀会や国の重要性の機会に国歌を歌うことが奨励されています。
2.インストルメンタルバージョンまたはボーカルバージョンのいずれかを再生できます。組織および個人は、可能な場合はフルバージョンをプレイすることをお勧めします。ただし、公式の儀式を伴わない場合や時間の制約がある場合は、要約版を再生することができます。文化社会青年省(MCCY)が作成したバージョンに加えて、国歌の曲と歌詞が完全で尊厳を持って演奏されている場合は、他の再配置されたバージョンを使用することもできます。
3. 演奏や歌唱の際には、威厳と礼儀を守る必要があります。全員が敬意を表し、起立しなければならない。

~使用または処理できない方法~
1.他のコンポジションやメドレーに組み込んではいけません。
2.元の歌詞にのみ歌う必要があり、それらの歌詞の翻訳は歌わないでください。

これらを違反した場合、1959年11月30日に制定された『シンガポールの国章と旗および国歌法』に従い、1000ドル以下の罰金が科せられる。

♪♪♪♪♪

マレー語に加え3つの公用語、英語・中国語・タミル語での翻訳歌詞がある。しかし翻訳はあくまで翻訳で公式にはマレー語のみが公で歌われる。

♪♪♪♪♪♪

すべての紙幣に国のモットーでありタイトルの“Majulah Singapura”が記載されている。また、1000シンガポールドルに限り歌詞全文が書かれている。

♪♪♪♪♪♪♪

1959年には、国歌を聴くための電話番号が設けられた。

♪♪♪♪♪♪♪♪

シンガポール国立公文書館には、1959年にGramophone社によって制作された国歌の初回プレス盤が保管されている。

歌詞

Mari kita rakyat Singapura
Sama-sama menuju bahagia
Cita- cita kita yang mulia
Berjaya Singapura
Marilah kita bersatu
Dengan semangat yang baru
Semua kita berseru
Majulah Singapura
Majulah Singapura

歌詞 日本語訳

 

歌詞 カタカナ読み

 

国歌に関するリンク

【Singapore Statutes Online “National Symbols Act 2022”】

【Government of Singapore “State Arms and Flag and National Anthem of the State of Singapore”】

【シンガポール国家オンライン “シンガポールの国章と旗および国歌規則”】(アーカイブ)

【NATIONAL HERITAGE BOARD “NATIONAL ANTHEM”】

National Archives of SingaporeEARLY VERSION OF MAJULAH SINGAPURA PERFORMED BY THE SINGAPORE MILITARY FORCES BAND, 1959”】

National Archives of SingaporeMajulah Singapura – Composing a National Anthem”】

【National Archives of Singapore “S. Rajaratnam on Singapore’s State Symbols”】

【National Library Board“ Zubir Said”】

【National Library Board“ Singapore national anthem”】

【Monetary Authority of Singapore “S. Rajaratnam on Singapore’s State Symbols”】

関連記事