今年の漢字は“災” では今年の『国歌』は?
毎年、京都清水寺で発表される今年の漢字。財団法人日本漢字能力検定協会が、その年のイメージを全国で公募し最も応募数が多かった漢字一文字を発表しています。国歌の輪プロジェクトでは、この取り組みのオマージュとして『今年の国歌』を選定します!今年1年間で起こった国歌に関する出来事をチェックし、その年最も話題を呼んだ国歌を選びました。
2018年今年の国歌はインド国歌『ジャナ ガナ マナ』
コラヌール村で愛国心の価値を教えるため毎日国歌を歌う取り組みを始めたというニュースが元旦に入るという年始からネタを提供。この年、町だけでなく工場単位で“定期的に国歌を歌う”取り組みを始めたという報道を地元メディアが報じます。このように愛国心を国歌でかき立てる動きがあり、以前から映画上映前に国歌斉唱を義務化する施設が出てきていたインドですが、1月7日には最高裁が昨年の映画館での国歌斉唱は決しで義務ではないと判決し、インド司法の独立性を垣間見えることもありました。
このように国歌に対して冷静な面も持つインドにとって歌詞変更が求められた年でもありました。3月にはインド議会上院の1政党が「Sindh」という言葉を「North East India」に置き換える改正を提案。インドの一部ではない「Sindh」があり、非常に重要な部分である北東インドが言及されていないのはおかしいという主張です。そして、同じ月、ハリヤーナー州政府の閣僚アニル・ビジ氏が「Adhinayak」を削除しようと提案します。この言葉が”独裁者”を意味しており、民主主義国歌であるインドに相応しくないというというのが理由です。日本語訳では”(運命の)支配者”と訳され、宗教などを超越した神に等しい存在としてタゴールが書いたとされていますが、インドでは上記のような解釈の仕方もあるのかと驚きました。
そしてパキスタンとの関係にも見え隠れした国歌。1月4日にはカシミール地方でパキスタン国歌を歌ったクリケット選手4名が逮捕されてしまいます。その一方で、9月にUAEで行われたクリケットのアジアカップ、インドとパキスタンの試合前の国歌斉唱ではステキな出来事が。パキスタン人男性が斉唱時にインド国歌を歌っている映像がネット上で拡散したのです。歌って話題となったパキスタン人は
「試合中、パキスタンの国歌が最初に歌われた。スタジアムにいたインド人はすべて立ち上がり、敬意を表していました」
とコメント。国歌は決して対立を生むだけではないのです。
こんな出来事があった平成最後の2018年
その他、アメリカでのNFLの膝付き国歌斉唱やジブラルタルでの軍艦国歌演奏事件、国歌の演奏間違い、アゼルバイジャンの国歌短縮提案など今年も色々とありました^^
来年はいったい何が起こるのか!
国際情勢に密接に関係してくる国歌事件は今後も目が離せません!!