NLD圧勝でミャンマー民主化へ 冷静に未来を見る在日ミャンマー人たち

おめでとうございます!

「ありがとう。でもまだまだ」

 

おめでとうございます!

「ありがとうございます。でもまだこれからです」

 

高田馬場にあるミャンマー料理店ルビー”

もっと大騒ぎしていると思っていたのに彼らはとても冷静だった。

「この勝利は始まりに過ぎない」

そんな思いが彼らにはある。

 

在日ミャンマー人と歴史的瞬間を共有したい

昨日ミャンマーで総選挙の開票が行われた。

今回の選挙は同国の未来を大きく変える出来事になるのは間違いない。

60年代から続く軍部中心の政治が終わり、民主的な国家になるか注目されている。

1990年、今回のような総選挙が行われた。

結果、アウン・サン・スーチー氏率いる野党が圧勝したが軍部は結果を認めないとして選挙を無効化。

武力によって国を統治しスーチー氏を自宅に軟禁してしまった。

それに反発した人たちは反対運動をするも強い弾圧にあってしまう。

その弾圧から逃れるために多くのミャンマー人が海外に出ていった。

そんなミャンマーの人々が高田馬場周辺に多く住んでいる。

選挙結果が発表されるとされていた9日、

高田馬場駅から徒歩5分程の所にあるミャンマー料理店ルビー”を訪れた。

ミャンマーの方々と歴史的瞬間に立ち会いたいと思ったから。

当初、選挙管理委員会が20:30に記者会見をするとしていたため結果発表もこの際されると思っていた。

時間に間に合うよう駅を出て足早に店に向かう。

 

「いらっしゃいませー」

オーナーの奥さんが出迎えてくれた。

店内には5人のミャンマー人と日本人客2名。みな静かに話をしている。

ミャンマー人のグループはオーナーのチョウチョウソーさんを中心に話し込んでいた。

マスコミの報道でNLDが優勢と言う話を聞いていたので、「おめでとうございます」と言うと

みなさん口を揃え「ありがとうございます」と言って笑顔を見せた。

多くの人が近くにある区民センターで選挙結果を見ているそうだ。

大手マスコミはそちらで取材しているようだ。

 

前回の選挙とは何が違うのか

みなさんは会場で御覧にならないんですか?

「昼間行きましたよ。みんな出たり入ったりしてます。

今はネットで全て情報が集められますからね。」

一段落したところでみんな店に来るということだったので一緒に食事をしながら待つことにした。

また選挙を無効化されるという心配はしていないんですか?とチョウチョウソーに尋ねると

25年前と状況がまったく違うので可能性は低いという答えが返ってきた。

 

【違いその①】ソーシャルメディアの普及

選挙管理委員会が結果を発表できないのは地方の結果をまとめきれていないから。

しかし今は地元の人たちがFacebookなどをネットを使って中央に結果が集まらないうちに

世界に情報を発信している。

地方に住む人たちがそれぞれの地区の結果をネットで公表しているため結果の改ざんは難しい。

 

【違いその②】在外ミャンマー人の増加

当時、国内の情報管理で統制できていたことが出来なくなっている。

それは世界に散らばったミャンマー人たちが監視しているからだ。

反政府組織に物資や資金などを援助が外から出来ていることも大きい。

 

【違いその③】ミャンマーの風刺画

そんな話をしているとミャンマー人女性のスーさんがこんな風刺画を見せてくれた。

ミャンマーに住む人の作品そうだ

ミャンマーに住む人の作品そうだ

「これはFacebookに上がっていたもので、今の選挙の様子を描いているのよ。

ボールはゴールに入っているのに判定が出ないってね。」

この段階で両院合わせた664議席中およそ20議席しか当選の公式発表がされていなかった。

最終結果が出るのはもう少し時間が必要なようだ。

 

NLD圧勝も万全ではないミャンマーの国内情勢

話をしていると、ミャンマー人がどんどん入ってくる。どうやら一段落したようだ。

広いとは言えない店内に15人ほどのミャンマー人が席に着く。

昼から何も食べていない人もいて、店から提供された料理をすごい勢いで食べている。

 

その中にタンスィゥさんもいた。(タンスィゥさんのお店についてはこちら

おめでとうございますと声をかけると

「ありがとう!でもこれからこれから」と笑顔を見せたが一瞬だった。

その理由を在日歴が20年近くになる少数民族のシャン族の男性、マイさんが教えてくれた。

「今、NLDの日本支部を支援しています。

でも本当はNLDではなく地元の政党を応援しているんです」

与党とNLDの戦いだと勘違いをしていた。実は国内におよそ90の政党がある。

シャン、カレン、カチンなど100以上の民族を抱える国ならば当然のことだろう。

さらにいうとシャン族が住む地域でも7つのグループに分かれていて意見も違うという。

「いくつかの地域が政府と停戦協定を結んだと報道されているけど、ほとんどパフォーマンス。

一部のグループが署名しているだけで、その地域全体が納得しているわけでは無いんだよ。

署名した多くは平和を望んでいる在外ミャンマー人のグループ。

彼らは現状より平和になって国に戻りたいだけなんだ。

国にいない人たちが政府と協定を結んでいるんだよ。」

もちろん、現地で戦っているシャン族の人々も平和を望んでいることには変わりは無い。

しかし条件が悪い状態で停戦協定を結ぶのは間違っていると言うのが彼の意見だ。

思ったより内情は複雑で、現政府を倒したとしても国が一つになるのは大変そう。

みんなが口々に「これから」と言った意味が分かった。

 

スーチーさんがあれほど慕われているワケ

少数民族の願いは自分たちの自治拡大だ。それを実現するために打倒与党でNLDに協力し団結している。

「ミャンマーはもともとバラバラで地域それぞれに王がいました。でもイギリスから独立した際、

アウンサン将軍はバラバラだった地域を連邦としてまとめようとしていたんだよ。」

建国の父アウンサン将軍は、周りの国をまとめ連邦制を導入。

各地域に高度な自治を与えたり、国の長を各地域から順番に輩出するシステムを作り上げていた。

しかし彼は志半ばで暗殺されてしまう。

だからその父親をもつアウンサン・スーチーさんは少数民族からの信頼も厚い。

「彼女はお父さんの祈願を果たそうとしています。

だから各部族はNLDが政権をとったら各地域のリーダーが平和協定を結ぶ約束をしているんだよ。

彼女がトップに立てば必ず国が変わる。」

 

日本のテレビがNLDが勝利宣言をし与党が敗北宣言をしたことを伝えると店内から拍手と歓声が上がった。

立ち上がってテレビを見ている

立ち上がってテレビを見ている

動画で撮影している人も

動画で撮影している人も

 

在日ミャンマー人は歴史的転換を冷静に見ていた

13日、BBCの報道によれば推定投票率80パーセントで

NLDが国会の過半数を獲得したと選挙管理委員会が発表したそうだ。

発表があると言われていた日の夜。

在日ミャンマー人と時間を共にしたが予想していたような大騒ぎになったり、喜びの涙を見ることは無かった。

彼らは冷静に国が変わる瞬間を見つめ、次のビジョンを見ている。

 

「これからこれから これからが大事なんです」

 

この言葉こそ今のミャンマーを見る上で大事な部分が何なのかを教えてくれている。

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【2019年1月25日(金)開催】 大使館で国際交流 第15回ワールドフードラリー inアフガニスタン大使館

2019年はアフガニスタンにとって建国から100年と節目の年です。
これを機会に最近報じられにくくなったアフガニスタンとはどういう国なのか改めてご紹介します。

同国大使館は昼間に一般開放しているのですが、夜に開放することは稀。この貴重な機会を皆さんと共有できたらと思います。
素敵大使館の一つアフガニスタン大使館でお国紹介を聞いて、
大使館専属シェフが手がけたアフガニスタン料理を食べて、
外交官と交流して、
アフガニスタンの魅力を体験しませんか?
日本の皆さんにアフガニスタンに今一度関心を持っていただけたら嬉しいです^^

【内容】
①大使館職員によるお国紹介
②大使館シェフによるアフガニスタン料理を食べながら外交官・参加者との交流
③アフガニスタン国歌斉唱(練習をみんなでします!)