国旗ストラップ販売会社 ジークラブ 並べば壮観 身につけたらカワイイ ~江戸川区葛西~
店内に入って圧倒するのはズラーーーーーと並べられた国旗は壮観。
有限会社ジークラブでは世界中の国旗をストラップにして販売している。
その種類なんと234種類!(2016年10月時点)。
国連加盟国はもちろん、国として認められていない地域だけでなく、
今は亡き国や、なんとシーランド公国まであるマニアックよう。
なんとこれら全部日本の工場で職人が作った手作業の品々。
今回、初取材です!
ジークラブ代表取締役の小林真理さんにお話を伺いました。
国旗ストラップ販売のキッカケはワールドカップ
―最初から国旗を扱っていたんですか?―
起業して10年くらいは文房具だけを扱っていたんですよ。
でも文房具って少子化で売れないんですね。それで何かないかって探していたんです。
きっかけは2004年のサッカーワールドカップの時で、
私はなんとなく、サッカーって人気あるんだ~と思っていたんですね。
そしたらですね・・・何と言えばいいんでしょう・・・
突然何かが降りてきたんです!(笑)
国旗をストラップにしたら面白いんじゃないかって。
工場にサンプルを作って持って行ったら「できる」と言うんですよ。
そこで国旗を全部作って本格的にやろうってなったんです。
―なかなか思いつかないアイデアですね―
物が流通していくのが楽しい。
メーカーに入ったんですけど、事務に配属されてつまらないなと思って自分で会社を立ち上げたんです。
大学時代、ファンシーショップでアルバイトしてたんですけど、
かわいくラッピングしたりして『どうやったら売れるのか』と考えたりしてました。
流通が好きなんです^^
―最初から234カ国全部あったんですか?―
いえ、最初は15カ国だったんです。
やっているうちに、お客さんから色々な国に作って欲しいって要望があるんですね。
国旗の画像と一緒に「これ作って」ってメールで来たりとか(笑)
あとは私は卸している店に行って、何が売れていいるのかチェックしに行くんですね。
そこでお客さんが「●●の国旗が欲しい」とか言っているのを聞いていたりします。
それを聞いて増やしていました。全部揃ったのは4年前くらいです。
―国旗はかなりマイナーですよね。ビジネスを始めるのに不安はありませんでしたか?―
ワールドカップで盛り上がっている時期に売りたかったんですけど、
出来上がったのが開催2日前ぐらいだったんです(笑)
1か月前くらいに工場に発注していて「すぐできる」って言ってたのに、全然できなくて。
勝機を逃してやばいと思ったんですけど、完売したんですよ!
これが自信になりましたし、思いついた時に未来がありそうな気がしていました。
でも単価が安いから迷いましたよ^^;
『これ面白いよなぁ~』と『でも安いんだよなぁ~』で揺れ動きましたね(笑)
単価が安いんで会社全体の売り上げとしてはそれほどではないですが、
一昨年から去年で売り上げが2倍、恐らく去年から今年でその倍になってますね!
ネットの売り上げが月40万程度ですから・・・2000個以上は売れてます。
国旗で国際交流
―海外の方に渡すと喜ばれますよね?―
そうなんです!
グアテマラ大使館に行く機会があって、大使館の方に国旗のストラップをあげたらハグされちゃいましたよ(笑)
これは嬉しかったですね。
売り場で見てるとインドネシアだとか台湾の人が自国の国旗が大好きなんですよ^^
ストラップを見せたら椅子から飛び上がって喜んじゃったりとか。
商品の先に人がいるんですよ。それが楽しいです。
―どんな方が買われるんですか?―
本当に色々です。
海外と関わりのある方が国旗は好きですね。海外に行ったり海外から帰ってきたりした方。
友達がいる国とか、デザインで買っていく方とか。
スケートの大会とか音楽界とか世界大会ありますよね?
「見に行くから買う」なんて人もいます。
コレクション魂に火をつけるみたいで、全種類揃えたお客さんもいますよ(笑)
保存用と使う用で2つ買う人もいるくらいです。
あと、海外旅行に行った時「私は日本人です」ってアピールしたくて日本の国旗買っている人いますね。
年配の女性だったんですが、よく他の国の人に間違えられるそうなんです。
このストラップのサイズならシャイな日本人にはちょうどいい大きさなんですよ。
国旗の変更に東日本大震災・・・立ちはだかる壁
―国旗は国歌同様、国の象徴です。ゆえに難しい点もあるのでは?―
デザインに間違いがあってはいけないので、
外務省のホームページや国旗に関する書籍を何冊も購入して参考にして作成しています。
それでもご指摘いただいたりしますね。
色がちょっと薄いとか言われたりすることがあるので^^;
私は英語のレッスンを受けているんですけど、ある日ベネズエラ人の先生に国旗の説明を英語でしたんですね。
ベネズエラ国旗には7つの星が描かれていると説明していたら先生が8個だって言うんです。
お店に行って確認したら7つしかない。こうなるともう売れません。
お客さんからご指摘頂く事もあって、本屋からイラン国旗の発注は80個あったんです。
大量発注だったんですけど在庫数が足りてるなと思って安心していたんです。
そしたらイラン人のお客さんが商品を見て「なんで星があるんだ」って言うんですよ。
扱っていたのが古い国旗だったんです。
その時は「間に合わないかも・・・」って青ざめました。
でもお陰で事前に気付けて納期に間に合ったので良かったです。
―お話を聞いていると順調ですよね?間違いを事前に気付けていたりとか―
それがそうでもないんです(笑)
最初は取引先だった文房具屋に置いていたんですが、それが意外と売れたんですね!
6年かかって120カ国までいって、あと80作れば全部だったので思いきって工場に発注したんです。
ここで勝負かけなきゃって思ったんです!
―順調じゃないですか―
そのタイミングで東日本大震災が起こったんです。
やっぱり売れないんです。
展示会に出したんですけどお客さんいないんですよ・・・すごく大変でした。
どーしよーて思いましたね。
―転機は?―
元々取引があった文房具屋さんに置いていたんですが、販売個所を増やす事にしました。
飛び込みで営業に行くんですが反応は全くないです(笑)
門前払いも多くて・・・凄く電話かけたりもするんですけどね^^;
そんな時初めて話を聞いてくれたのが八重洲ブックセンターさんだったんですよ。
営業に行ったら「置いていいよ~」って!
最初は40カ国置いてもらったんですけど、
それが好評で今は種類が大幅に増えて1階と8階の2フロアに置いてもらっているんですよ^^
そこから勢いがついて本屋さんだと紀伊国屋さんのいくつかの店舗。
他にも羽田空港など20か所ほどで販売しています。
―営業に行く場所って何か基準があるんですか?―
うまく言えないんですが、ここに置いてあったら売れそうって分かるんですよ。
喫茶店とか薬局でもいけると思っています。
でも付き合いのある問屋さんからしか仕入れないという場所があってなかなか難しいです。
これは日本の流通の悪い所だと思っています。表面では「新しい事をする」と言っているけど抜け出せないんですね。
もっと国旗の知名度が上がればやりやすくなるかなと思っています。
大手には出来ないジークラブの強み
ちょっと前、大きな会社に真似されたことがあるんですよ。
そこもストラップを扱っていたんで、国旗ストラップを扱って欲しいなと思って展示会で一生懸命説明してたんですよ。
それが気づいたらパクられてたからビックリしちゃって(笑)
でも結局再販されずに継続しなかったんです。
その会社が出来なかったんで、もう他は出来ないかなと思ってるんですけどね。
―大手だと出来ない?―
一番に売れるものじゃないんで瞬発力が無いんですよ。
キャラクターものだと短期間に凄く売れて終わるんですけど、それじゃないんです。
好きな人しか気づかない物なんで、凄い売れる物を探してる人だと我慢できないんですよ。
メインにならないんですね。お店にひっそりある2番手の商品なんです。
それがいいんです。
でも大手はメインが欲しいんですね。でもメインに出来ない。
当社ではメイン商品ですが世の中的にはメインでない。
育っても一番にならないんです。おまけで良いんです。
買った人が喜んでもらえますから^^
―どうしてそれが小林さんならできるんでしょうか?―
会社が小さくて人件費も少ないし、日々の利益を追わないからです。
会社を大きくしようと思っていないので。
経営理念が『好きなことを楽しく、自由に、長く続ける』なんです。
「喜んでもらえたらいいね」というのが一番じゃないと難しいですね。
国旗ストラップの強み
―国旗ストラップの強みは?―
大きさです。
国旗ストラップは種類がたくさんあるのが大事なんです。そうなると在庫を抱えなきゃいけないんですね。
でも小さいので場所を取りません。
これは販売する時もメリットになります。
「場所を取らないので置いてください」と言えますので。
―販売側から見ても扱いやすい、購入側からしてもちょうどいい大きさですね―
大きさも降りてきたんですよ(笑) 長年の経験ですかね。
日本国旗のイメージを変えたい
―好きな国旗はありますか?―
うーーん・・・迷いますね(笑)
でもやっぱり日本の国旗は好きです。
でも日本の国旗って可哀そうですよね。難しい問題を抱えています。
イメージがあまり良くなんですよね。
私は好きな人の方が多いと感じていますけど。
国旗には国が独立したという思い入れがありますよね。
ある時、フィリピンの人で夜中にお店に入ってきたことがあったんです。何か買いたかったわけじゃないんです。
何で店に入ったんだと思います?
聞いたらフィリピンの国旗があったからって言うんです(笑)
皆さん好きなんですよね。凄い思い入れがありますよ。
体にしみ込んでいるというか。そういう物に携わっていれているというのは嬉しいです。
由来とか勉強してたら面白くてやめられないですね。
こんなに国旗があるなんて知らなかったんですよ。それを商売とは関係なく伝えたいというのもあるんですよ。
―でも日本はそうじゃない―
親子で買いに来た人がいて子供が日本の国旗を選んだんですね。
そしたらお母さんが「日本以外にしなさいって」怒ったんですよ。
一方で世界一周に行く時や、海外から帰国した時、
日本の国旗を広げて空港で記念写真を撮っていたりだとかあるんですよ。
この商売を始めて日本は改めて好きになりましたね。
ちゃんと自分の国に誇りを持たなきゃいけないなって。海外の方々が大事にしていますしね。
日の丸って意外に売れるんです!
口では嫌いだっている人が多いんですけど、好きな人が多いんですよ。
結構日本人は好きですよ。好きな人は好きって言わないだけですよね。
お店には羽生選手が国旗を持った写真を飾っています。少しでもイメージが良くなればと思って(笑)
さらに増え続けるジークラブの国旗シリーズ
―今後は?―
今作りたいと思っているのはグリーンランド。
アメリカの州の旗も作りたいんです。
日本のお店で置いてくれるかどうかは分からないんですけどね(笑)
まだ扱っていない国旗があるんですよ。日本国旗と一緒になっている物も作りたいんです。
ネットで色々な国の国旗を見ながら「やりたいなぁ~」ってニヤニヤしてます。
今後はフェスなどにも出したいと思っていますしやりたい事は沢山あります。
国旗を素敵なコミュニケーションツールに
いかがでしたか?
”国旗”というと拒否反応を示す人もいますが、海外では稀です。
ここで頂いたストラップをその国の方に渡すと喜んでもらえました。
国際交流のツールとして持ち歩いたり、海外に持って行くといいですね!
海外旅行者の中にはコミュニケーションツールとして様々な物を持って行く人がいます。
折り紙、五円玉、箸・・・
でも問題もあります。
雨でぬれたら折り紙はダメになり、五円玉はかさばるし重い。箸は壊れやすい。
でも国旗ストラップなら壊れにくいし濡れない。
しかも現地の人は喜んでくれるとなれば
良いことしかありません!
日本とセットで渡すといいですよね^^
一度お店に足を運んでみてください。
200種類以上の国旗が並んでいる様子は一見の価値ありですよ!
お店情報
【店舗名】 G-club(ジークラブ)
【住所】 東京都江戸川区中葛西5―13―19
【営業時間】 9:00~17:00
【定休日】 日、祭日
【連絡先】 03-3675―3372
【HP】 http://g-club.co.jp/