5月24日に発売された『君が代と世界の国歌を歌うたった一人のワールドツアー』を読みました!

著者は“国歌バカ”ではなく“歌バカ”

著者の鶴澤三枝子さんはソプラノ歌手。

小学生の時にオペラを聞いてから歌手に憧れ歌手を目指すものの、

お子さんがいたこともあり留学や音大入学ではなく独学で歌を学び練習し

著者いわく“歌バカ”になります。

地元の香川を始め日本で音楽活動をしていく中で、

「世界の国歌を歌い、世界を旅しなさい」

と“天の声”が聞こえて、著者は「はい!」と答えたそうです。

すごい方ですね(笑)

文章から伝わってくるのは鶴澤さんの“アグレッシブさ”“人を巻き込む力の強さ”です。

彼女は3年で31ヶ国の国歌を現地で歌います。それも現地の人たちはもちろん時には政府の協力を得ながら。

文章ではさらっと書いていますが準備は大変だっただろうし、現地でもご苦労が多かったのだろうなと用意に想像ができます。

 

突き進む大胆さと諦めないことが成果につながる

文中では“奇跡が起こった”という言葉が端々に見られ、海外で国歌を歌うまでの苦労などはあまり読み取ることは出来ません。

しかし先に書いたように苦労は多くあったと思うし、問題にぶち当たった時にどのように対応したのか気になるところです。

”奇跡”で片付けてしまうのはもったいないなと・・・

「すごいなこの人」と思ったのは伊勢神宮での国歌斉唱の話。

神宮に歌の許可を求めても断られ続けたので警備員の制止を振り切って歌い続けたのだとか。

この行動は賛否分かれる所ですが、これくらいの根性を持っているからこそ自身の想いを形にできているんだろうなと感じました。

私も“実現できるのか?”と思うようなプロジェクトにいくつか関わっていますが、実現にはこれくらいの勢いが必要なんだと思います。

何かに挑戦しようとしているけど、現実を考えると無理かなと何かに諦めかけている方には良いかもしれません。

 

国歌好きには物足りない

元気がもらえる作品である一方、タイトルにある“国歌”のボリュームが少なかったです。

また、国歌ツアーの部分の構成は単調で

 

“天の声があった”

“はい”

“○○国に行って、どこどこで歌った”

“みんな涙を流した”

“そして今度は○○国行った”

 

この繰り返しなので、もうちょっと書き方がなかったのかと思います。

また、イントネーションも完璧にして歌ったということなので、おそらく意味も知った上で歌われたのだと思います。

そのあたりも触れてほしかったですね。

せっかく現地に行って歌って交流されたわけですから、そのあたりの話が聞きたかった。

各国の国歌には特徴があり、その国歌に対する想いや環境が絶対にあったはずです。

しかし全く国歌に関する情報がなかったわけではありません。

「面白い!」

と思ったのはバングラデシュの話。

日本でしっかり練習した同国国歌を現地の学校で歌った所、「それは違う歌だ」と指摘されてしまいます。

それはどうして??

 

答えは読んでからのお楽しみ^^

君が代と世界の国歌を歌うたった一人のワールドツアー [ 鶴澤美枝子 ]