国歌が謳う金言集

国歌はコンテストや国が中心となって運営された委員会など多くの場合厳密な審査の下で決まっている。そのため国歌の歌詞は秀逸な物ばかり。今回は人生にも役立つ国歌の金言をご紹介します。

悩んだ時、人生の指針に迷った時国歌を聞いてみませんか?

 

 

ドミニカ国国歌『美の島、輝きの島』

第3節

「万人がよろこび踊るこのことば “全てはひとりのため、ひとりは全てのため”」

最後の部分は“All for Each and Each for All”と英語で表記され、ラグビーで良く聞かれる“One for all, All for one”とは少し違う。ラグビーの方は “一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために”というような意味になるそうで、多くの人がドミニカ国歌の様な意味を想像している。“All for Each and Each for All”は似たような言葉が他でも使われている。よく知られているのが“Each for All, All for Each”。フランスの作家、アレクサンドル・デュマの『三銃士』でも登場し、スイスの国の標語にもなっており、“全てはひとりのため、ひとりは全てのため”と同じ意味合いで使われる。

“国のために”ではなく、“ひとりのため”と個人を大切にすると歌う部分が先進的だ。自身の為に行う事が結果人の為になるという生き方は理想的だろう。

「みんな頑張ってるんだからお前も頑張れよ」と残業や休日出勤を強要する上司は嫌だし、

「自分さえ良ければ周りはどうなってもいい」と言って定時になったら問答無用に帰る後輩も嫌だ。

じゃあどうすりゃいいんだよ。そんな時は思い出してください。

“全てはひとりのため、ひとりは全てのため”

 

 

ルーマニア国歌『目覚めよ、ルーマニア人!』

第3節

「自由に生きよう さもなくば死すのみ」

自分の時間を作れないほど仕事に追われている人たちなら一度は「自分は何のために働いているのか」と考えたことがあると思う。生きるために働く事はとても大事だが、その労働が生きる意味を見えにくくしてしまっているなら一度立ち止まって考えてみるのもいい。ルーマニア周辺は紀元前から統一国家が存在していたがローマ帝国など多くの国の支配を受けてきた。ゆえに自由の大切さを国歌に盛り込んでいる。

後半の「死すのみ」という言葉は過激に聞こえるが、ただ会社のために働き、会社に生かされているだけの人生なら死んでいるのと一緒と思う人には共感しやすいかもしれない。仕事以外でも何かの足かせを感じながら生きている人は一度立ち止まって自身を見つめ直してみてはいかがだろうか?その足かせが意外と簡単に外れる物だったりするかもしれない。

 

 

バルバドス国歌『豊かな時も、いざという時も』

第1節

「鼻にかけない自尊心」

自尊心と訳された部分を原文ではプライドと書かれていている。イギリスからの独立を勝ち得た自尊心を自慢するのではなく、国民の団結に使い国の誇りにしようと歌う部分は今の国際情勢と照らし合わせると面白い。最近先進国含めナショナリズムの台頭が著しい。アメリカの「アメリカファースト」、ヨーロッパの右派ポピュリズムの拡大など自国優先の動きが活発だ。

そんな事を考えながらバルバドス国歌を聞くと考えさせられるものがある。自尊心を持つことは否定しない。それは自身を形成する中で重要なものだからだ。一方でその自尊心を保つために他者への攻撃的発散は行ってはいけない。過去人類の歴史を見ると国や個人が持つ自尊心の暴走が争いに発展した例が本当に多い。

バルバドス国歌はそれを禁じ自尊心は内に秘めよと説く。