国歌を歌う時に本当に大切なことって? 〜チュニジア共和国大使館訪問〜 

チュニジア大使館は まるで美術館か博物館のよう

チュニジア共和国大使館は千代田区にあります。

チュニジア,大使館,鳥カゴ,モザイク画,デザートローズ,シディブザイド

立派な建物です

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正面玄関にはなんとチュニジア名物のモザイク画が!

 道路に面した壁はガラス張りでチュニジアを紹介するショーウィンドウになっています。

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ブルーの扉に鳥かご。両方ともチュニジアの北部にある町シディ・ブ・サイドの名物です

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真ん中には砂漠のバラと呼ばれる岩石が飾られていました

道路に沿って正面玄関の反対側に通常時使う入口がある。インターフォンを押して鍵を開けてもらい中へ。建物内は白いタイル敷きで高級感があります。

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入ってすぐの所にあるウェイティングスペース

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こちらにもチュニジアグッズが

「こちらへどうぞ」

日本人の女性職員に案内され3階へ。階段や廊下に様々なものが飾られています。

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所々にチュニジアの絵が

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様々な方の作品があります

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こちらは日本人の作品。チュニジア側に描かれた花はジャスミンです。”ジャスミン”は国民に愛されている花

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日本の木製タンス?もありました

日本の木製タンス?もありました

3階の奥に応接間があります。室内にもさまざまなチュニジアグッズが

待っていても飽きない部屋の飾り

待っていても飽きない部屋の飾り

チュニジアンアクセサリー

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中世の戦車

中世の戦車

見どころ満載!観光立国チュニジア共和国

ミントティーをいただきながら待っていると・・・

「こんにちは!ようこそいらっしゃいました」

と、すらっとした男性が沢山の資料を片手に現れました。

来日3年目のサミ ブガンミ一等書記官

「日本はとても綺麗な国ですね、特に桜のシーズンは綺麗です。モダンと伝統があり、人々はとても親切で勤勉で、友好的。歴史、文化的にもたくさん見るところがあり、毎日発見があります」

落ち着いた口調でクールな雰囲気があります。

 

―チュニジア共和国はどんな国でしょう?―

地中海に面した小さな国ですが、長い歴史と豊かな文化があり、多様の自然があります。海、山、砂漠なども楽しめ、様々な観光スポットがあり、人々は寛容で、友好的で、おもてなしの心を持っています。

 

ちなみに今年はチュニジア共和国独立60周年という節目の年ですが、日本との国交は独立した時からずっと続いているので日本とチュニジア国交樹立60周年でもあるんです。

首都チュニスにある大聖堂

首都チュニスにある大聖堂

チュニジアはイスラム教徒が大半ですが、少数のキリスト教徒とユダヤ教徒の方がいます。それゆえ多様な文化が形成されました。ワインの生産もその一つ。お酒を飲むチュニジア人も少なくないのも酒好きの旅行者にとっては良い点です。

ワイン生産が盛んなボン岬地方。その1つケリビアの町並み

ワイン生産が盛んなボン岬地方。その1つケリビアの町並み

サミさんがおっしゃるように歴史も長く保存状態が良い遺跡が沢山。下記の遺跡も自由に中を歩けるので冒険心もくすぐられます。

海に面した北部にあるカルタゴ遺跡

海に面した北部にあるカルタゴ遺跡

 

内陸部にあるドゥッガ遺跡

内陸部にあるドゥッガ遺跡

そして町の色彩に心奪われる旅行者も多いと思います。

チュニジアンブルーと呼ばれる白に映える青

チュニジアンブルーと呼ばれる白に映える青

美しい街並み

美しい街並み

チュニジア陶器。町を歩くとこういった光景が見られます

チュニジア陶器。町を歩くとこういった光景が見られます 

そして自然。海、山、砂漠。それらの環境との共存の証は芸術です。

南部の小さな町シェニニ。白いモスクがフォトジニック

南部の小さな町シェニニ。白いモスクがフォトジニック

スターウォーズ撮影地もこの周辺。冒険心をくすぐります

スターウォーズ撮影地もこの周辺。冒険心をくすぐります

砂漠では夜になると180度 星の海。平地で星を真横に見る体験は日本では難しい

砂漠では夜になると180度 星の海。平地で星を真横に見る体験は日本では難しい

筆者も数年前にチュニジアに行ったことがあるのですが、サミさんの言うとおり文化、自然、人々どれをとっても良い思い出しかありません。

行ったのは2009年。アラブの春直前でチュニジアの総選挙が行われていました

行ったのは2009年。アラブの春直前でチュニジアの総選挙が行われていました

外国人の初恋相手がチュニジアの女性なんですが、本当に人々も素敵でした。サミさんにその事を話すと

「そうですか!それじゃあ、絶対にチュニジアの事は忘れられないですね」

確かにチュニジアには良い思い出を作ってもらいました(笑)

自由な国歌 チュニジア共和国『祖国の防衛者』

チュニジア国歌についてお尋ねすると持ってきた資料を広げながら丁寧に説明してくれました。

 

―まず皆さんは自国の国歌が好きですか?―

チュニジア人はみんな好きですね。変えたいという人はいないと思います。フランスからの独立運動時に愛国歌として歌っていました。それもあって国歌に対する想いは強いですし重要な歌ですね。

 

―ただ作詞したのはエジプト人の方ですよね?他国の人が作った歌詞と言う所に抵抗はありませんか?―

ないですね。エジプト人でも気にしません。アラビア語だし内容が良いですよね。歌詞の内容が良ければどこの国の人が作ったのかというのは気にならないですよ。あとですね、最後の4行はチュニジア人の詩人が作ったものなんです。後から付け加えられたものなのですが、アラブ圏の人たちなら知らない人がいないくらい有名な詩人で私たちの誇りです。

 

―学校でも歌いますか?―

毎朝国旗を掲揚するのですが、その際に校庭で歌います。もちろん、歌詞の内容なども学びますよ。学校以外でも式典や議会の最後に歌ったりします。式典で歌うのは日本と似てますね。

 

―チュニジア国歌の動画を見ると、繰り返し部分の挿入箇所がバラバラなのですが正式な歌い方を教えてくれますか―

ないですね。繰り返し部分をどこに入れるのかなどは決まっていません。

 

―え?―

歌い方に関してのルールは決まっていないです。伴奏が終わっても歌っている時もあるんですがそれは歌いたいからですよ。リスペクトの気持ちが大事なんです。

 

―気になったのが大統領が歌っていないという動画もあります。歌わなくてもいいんですか?―

歌わなくてもいいんですよ。さっきも申し上げた通り大事なのはリスペクトの気持ちなんです。歌う事に関してのルールは特にないんです。”胸に手を当てる”とか”敬礼するとか”もやりたい人はやっています。もちろん立つことは大事ですが気持ちが大事なんです!

 

国歌を歌っていない人を見つける ”というような国もありますが

大事なのはそこではないんだと今回のインタビューで強く感じました。大事なのは気持ちなんだと。

今回沢山の資料を用意して丁寧に教えてくれたサミさん。チュニジアの方は親切だなぁと改めて思いました。通訳をしてくれた日本人の大使館職員の方いわく

「チュニジア大使館の外交官たちは ”何かしてあげたい” という気持ちがあるんですよ。 話し方も穏やかで優しい印象はありますね」

とのこと。

 

気持ち”を大切にするチュニジア大使館の皆さん

ありがとうございました!!

 

サミさんと一枚

サミさんと一枚