国歌DE振り返る2018年平成最後の年!

今年の国歌インドを除き世界でどんな出来事があったのか。

2018年に発生した国歌関連の出来事を振り返ります!!

 

元旦から国歌でざわついたのは香港

昨年12月に制定された国歌への侮辱行為を禁じる「国歌法」を中国だけでなく香港でも適用されたことへの反対デモが元旦に行われました。しかしこのような活動を鎮静化しつつあるようで、先日行われた地方選挙では香港の独立を訴えている民主派が大敗。元旦のような大規模デモは少なくなりこの1年で一国二制度の形骸化が進んだといえます。

 

 

スポーツ試合前の国歌斉唱時のアクシデントはよくある話

国歌が一番歌われる場としてスポーツの試合前があります。その分事件もあるわけで・・・

4月14日、アメリカ女子サッカーNWSLのユタ・ロイヤルズ対シカゴ・レッドスターズ戦前の国歌斉唱で歌手のレイチェル・プラッテンが歌詞を忘れ、歌い直すという珍事がありました。星条旗を間違えるというのはとても珍しい出来事でした。

また平昌五輪ではドーピング問題が原因でロシア国歌が流されることが許されず、ロシア人金メダリストが表彰台で五輪賛歌が流れるという悲劇がありました。そんな中、五輪最終日アイスホッケーチームが禁止されているロシア国歌を観客と合唱する事件が発生。この瞬間のために人生をかけてきた選手たちにとって悲劇でした。

10月にはUEFAネーションズリーグアルメニアvsジブラルタルの試合開始前にはジブラルタルの国歌ではなく、誤ってリヒテンシュタインの国歌が流れるというアクシデントが・・・

 

 

世界で進む国歌斉唱義務化と厳罰化が進む中国

7月、エジプトのハラ・ザイード保健相が「愛国心と忠誠心」を促進するため、毎朝州立病院で医師の宣誓に続き国歌が流すよう指示。10月にはモンテネグロ政府が国歌斉唱時に立たなかった場合300〜2000ユーロの罰金を科すことを決定するなど複数の国で国歌斉唱の義務化が進みました。

そんな中最も厳罰化が進んだのが中国です。

10月、4400万人のフォロワーも持つストリーマーのヤン・カイリさん(20)は、指揮者のように腕を振りながら国歌を歌ったことが不敬とみなされ上海警察に逮捕されました。

「国歌は国の象徴であり、すべての市民はそれを尊重し、尊厳を守るべきだ」と警察が声明を発表しています。彼女だけでなく別のストリーマーも同じ理由で逮捕され話題になりました。

また同月、中国サッカーのプロリーグ、山東魯能と上海上港の試合前の国歌斉唱で山東魯能所属の元ブラジル国籍のディエゴ・タデリ選手が下を向き右手を頬にあてていた行為が不敬に当たるという理由で1試合の停止をリーグが命じました。来年も中国では国歌法関連のニュースがありそうです。

 

 

歌詞がない国歌に動きが

2月、ボスニアヘルツェゴビナの主要政党の議員らが19年前に事実上決定された歌詞の公式化を否定。モンシロ・ノバコビッチ民主党議員が「現時点では、ボスニアの3人の代表者が同意できるテキストは実際にはない。したがって、議会が支持できる文章はない。私は、このイニシアチブが失敗すると思う」と述べ、歌詞がつくかもという希望が絶たれました。

また同じ月、今度はスペインの歌手マルタ・サンチェスがマドリードで行われた自身のコンサートで自作の歌詞を加えたスペイン国歌を熱唱。SNSで公開された動画は100万再生を超え多くの反響がありました。

 

 

モーリタニア・カナダの次は? 国歌変更の動き2018

将来的にどうなるかは未知数ですが国歌を変更しようという動きも。

3月セネガルの大統領選挙で国歌を変更することを公約に掲げる候補者が登場。より自国の伝統文化に沿った音楽にしたいという主張でした。

東欧チェコでは同国オリンピック委員会の会長が金メダリストのチェコ選手は、国歌の簡潔さのために表彰台に行く時間が少なすぎるという理由で変更を提案。

いずれも多数派にはならず、変更をされることはなさそうです。しかし何がきっかけでこれらが再燃するかはわかりません。今後も注視していきたいと思います。

 

 

国歌から見える国際協調の兆し

対立ばかりが目立つ国歌ですが良い話も。

3月にモロッコのアガディルで開かれた世界柔道大会で、イスラエル選手が金、銅のメダルを取り、イスラエル国歌ハティクバが流れました。

「金メダルが出たんだから当たり前でしょ?」と思われるかもしれませんが実はすごいこと。イランやアラブの選手がイスラエルの選手との対戦を拒否することもある中、堂々とイスラエル国歌が演奏されることは珍しいといえます。

アラブ首長国連邦で開かれた柔道の国際大会でもイスラエルの選手が優勝し、同国の国歌が流され話題に。イスラエルと国交がないアラブ諸国では通常、公の場でイスラエルの国歌使用が認められることはないためイスラエルとアラブ諸国の関係改善を示す動きとして注目を集めました。イスラエルのメディアによると、UAEの公式の場でイスラエル国歌が流されたのは初めてとのことです。

 

 

日本国歌“君が代”関連の出来事も

政治と結びつきやすい日本国歌“君が代”関係の話題もありました。

4月にゆずが発表した「ガイコクジンノトモダチ」の歌詞が注目され議論を呼びました。

 

〈この国で生まれ 育ち 愛し 生きる/なのに どうして胸を張っちゃいけないのか?/この国で泣いて 笑い 怒り 喜ぶ/なのに 国歌はこっそり唄わなくちゃね/平和な日本 チャチャチャ/美しい日本 チャチャチャ〉

 

この内容に賛否両論。日本で国歌を何かの方法で表現することの難しさを改めて感じる出来事でした。

また数年前から国歌斉唱を制度化する動きが強まっていますが、今年は首都大学東京が開学以来初めて入学式で国歌を斉唱したり、金沢市議会が6月に国公立大の入学式や卒業式で国旗の掲揚と国歌の斉唱を求める意見書を賛成多数で可決しています。

 

 

来年はラグビーワールドカップ 気を引き締めてほしい2019

毎年多くあるのが国歌のかけ間違いです。

今年は韓国国家を流すところで北朝鮮国歌を流してしまうこともありました。

日本ではラグビーワールドカップ、そしてオリンピックと大きなスポーツ大会が続きます。

ヒューマンエラーによる起こる事件ですので、日本開催時はこのような事態にならないよう気を付けてほしいものです!